山の谷間などの少し湿気た日陰に生える多年草。白い地下茎で盛んに増え
るので、一度定着すると除去するのは難しく安定して生育する。白い花びら
に見える部分は、総苞である。中央にある黄色い穂が花の集まりで、花びら
はなく雌しべ1本と雄しべ3本が規則正しく並んでいる。白い総苞は、他の
花の花びらのように虫たちに花のありかを知らせているのだろう。
全体に独特のにおいがある。日本では東北地方以南に生育し、中国、東南
アジア、ヒマラヤにも生育する。日本では十薬と呼ばれる有名な民間薬だが、
西洋や中国では薬用には利用されない。東南アジアのものは葉がずっと小ぶ
りでハーブとして利用する。中国では白い根茎を20cmほどに切りそろえ
て市場で売っている。雲南省では地下茎を辛いソースでサラダにする。
葉などを天ぷらにするとにおいが取れて意外とおいしいので、市民研究所
の野草料理でも使われる。しっかりと揚げてからりとさせないとにおいが残
る。地下茎も湯がくとにおいが取れるそうなので、一度大鍋で試してみたい。
独特のにおいは、デカノイルアセトアルデヒドやラウリルアルデヒドなど
のアルデヒド成分のにおいだ。このにおいがしているときには、カビの生育
を阻害する。だから水虫治療には生の葉を使う。利尿作用があるクエルチト
リンという成分は、乾かしても効き、煎じて利用される。薬以外にも昔はト
イレのにおい消しに使い、ウジを殺すのにも使った。薬効は、花が咲いてい
るときが一番強いといわれている。
但馬の中学校には、夏休みの宿題にこの植物やゲンノショウコなどの薬草
の採集をさせている学校がある。子どもたちの手で集められた大量の薬草は
業者に引き取られ、生徒会の活動資金になっている。この活動はかつては多
くの学校で行われていたが、今では一部の学校に残っているにすぎない。
ドクダミの名前は、ドクダメ(毒溜め)から来ているという説がある。全
草に特有のいやな臭気があるために毒が入っていると思われ、それが転じて
ドクダミになったといわれている。
at: 2001/09/13(Thu)