
ヤナギタデは、水辺に普通に見られる。川の場合、岸の近くで頻
繁に破壊されるような場所に多く見られる。従って、しばしばその
生育場所を変えることになる。放浪性が強いというのか、撹乱に乗
じて生きているというのか、そんな植物である。休耕田など一時的
にできた水域にもよく見られる。場合によっては一面がこの植物と
いうこともある。しかし、休耕田がそのまま放置されると、すぐに
姿を消してしまう。秋には見事に赤く染まるので、田んぼが赤く染
まっているのが見えたらヤナギタデだと思って大きく間違わない。
この植物は非常に多形なようである。めしべの姿さえ一定してい
ない。雌しべの先が2つに分かれているものが多いが、3つに分か
れているものもある。種子の形も、2裂する雌しべのものはレンズ
形やもう少し平べったい形をしているが、3裂する雌しべのものは
上から見ると3角形で、3方が角張っている。また、生育環境によ
って、1年草であったり、多年草であったりもする。
もともとタデというのはこの種類のことで、昔からタデ酢などで
利用されてきた。そのためにマタデ、ホンタデという別名もある。
気の毒なのは、よく似たボントクタデで、ボントクというのは「役
に立たない」というような悪口らしい。イヌタデも同じで、「いぬ」
は悪口で、どちらのタデも、ヤナギタデを意識した名前なのだと思
う。
「タデ食う虫も好き好き」ということわざがあるが、ヤナギタデ
は古くから食用に使われてきた。お刺身を食べるときに赤い双葉が
付いているが、あれはヤナギタデを改良したムラサキタデ(ベニタ
デ)の芽生えである。こういう植物をツマモノと呼ぶ。芽タデは広
島県や大阪府が主要な産地になっている。タデ酢で利用されるとい
うが、まだ食べたことがない。WEBで調べてみると、次の作り方
が出てきた。「タデの葉を集めて、葉とごはんをすりおろしてペー
スト状にする。これに酢を加えて混ぜてできあがり」というのと
「 蓼(タデ)の葉を刻んで2杯酢に混ぜたものがタデ酢」というも
のだ。ビン入りのタデ酢も市販されているらしい。いずれにしても、
鮎と大変相性がいいようなので、来年の秋は、落ち鮎でタデ酢パーテ
ィーをしたいものだと考えている。
おまけ
徳島県特産の藍染に使われるタデアイもヤナギタデに近い仲間なの
だそうだ。写真ではそうは見えないのだけどなあ。
at: 2001/10/31(Wed)