ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウ


   ユリ科
 
 最近ではヘメロカリスと呼ばれる園芸種が多く出回っているが、
ヤブカンゾウはこの仲間である。但馬では人里の近くにヤブカンゾ
ウとノカンゾウが見られ、海岸の岩場近くの草地にはユウスゲが見
られる。
 
 ヤブカンゾウは、ユリに似た赤の混じった朱色の花を6月終わり
頃から咲かせる。早朝に咲いた花は夕方には閉じてしまう一日花で
ある。属名のHemerocallis は「hemmera;一日の」+「callos;美
しさ」からできており、その仲間が一日花であることに由来してい
る。
 
 ヤブカンゾウとノカンゾウはよく似ている。私は花の時期になら
ないと区別できない。花が一重なのがノカンゾウで八重なのがヤブ
カンゾウである。
 
 花の時期以外で気になるのは芽生えの頃だがこの2種が区別でき
なくても困らない。どっちも同じように芽生えはおいしい。私は毎
年春になると円山川の堤防に行って2~3cmの芽生えを掘り取る。
地中にハサミを入れて白い部分から取るようにしている。熱湯でさ
っと湯がいて、たいがいマヨネーズしょう油で食べる。わずかにぬ
めりがあって甘い。
 
 本を読むとヤブカンゾウはノカンゾウに比べると、葉がやや広く
て、やや柔らかいと書かれている。花の時期に生えている場所を確
認しておいて食べ比べないといけないかもしれない。
 
 ヤブカンゾウは、つぼみや花びらも食べられる。中国に生えてい
るヤブカンゾウの母種であるホンカンゾウ(シナカンゾウ)の花を
ゆでて乾燥したものは中華料理の食材で、金汁菜と呼ばれる。
 
 この二つの種は増え方も違う。ノカンゾウは種子ができるが、ヤ
ブカンゾウは種子をつけない。それでもヤブカンゾウが人家近くの
各地にあるのは、人が植えたのではないかと言われている。昔に中
国から食用としてやって来たのかもしれない。また、溝や堤の上に
生えることが多いので、補強に使われたのかも知れない。

at: 2003/07/19(Sat)

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