
ネジバナ
ラン科
ランの仲間はどれもこれもと言っていいほど多くの種が絶滅の
危機にある。いわゆるワシントン条約で取り引きが禁止されてい
たり、レッドデータブックに載っていたりする。しかし、その中
で、ネジバナにはそんな心配がない。
多くのランは、森の中とか湿地とかに生えるが、ネジバナは芝
地のような乾燥地に生える。こんな環境は人間によって増えてい
る。だから他のラン達が生育場所を失ったり、乱獲されて絶滅の
縁に立たされているのに反して、数を増やしているように見える。
ネジバナの生育力はすごい。何度も刈り取られた草地ならどこ
でも生えると言っても過言ではない。堤防、公園、空き地、・・。
こまめに刈ってあって、背の高い草がないところならネジバナが
育っていることが多い。私たちが遊ばせてもらっている田んぼビ
オトープには中の島がある。この島は作られて3年目になる。こ
の島にも今年ネジバナが咲いた。休耕田であっても草刈りをして
世話をすればネジバナは生えるのだ。
ネジバナは、花がねじれて咲くからネジバナである。ネジバナ
の学名はSpiranthes sinensisだが、Spiranthes は「Speira;ら
せん」の「anthos;花」と言った意味だ。
ネジバナのねじれには、右巻と左巻きがある。ほぼ同じくらい
の比率だとされている。写真でも隣り合わせで咲いている。途中
から巻き方が変わったり、混んでいたり、まばらだったりとその
巻き方は一定していない。
花がねじれているように咲くのには訳がある。花のつく茎がま
っすぐ上に伸び、一つ一つの花が横を向いて咲くためだ。縦一列
に行儀よく並んでいたら、その重さで茎は片側に傾いてしまう。
そして花は下を向き、受粉のためにやって来る虫が花にとまりに
くくなる。小さなハチが訪れやすいようにという工夫なのだ。
花は小さいがランの形をしている。カトレアやデンドロビウム
と同じだ。ルーペで観察してみるとそれがよく分かる。花は半開
きで咲く。全開することはない。ハチが頭から潜り込むと花は開
く。新しい花であれば、中に花粉塊が残っている。爪楊枝の先を
そっと花の花に差し込むと小さな白い固まりがつくことがある。
これが花粉塊である。本来なら、ハチの頭などについて別の花に
運ばれるのである。
at: 2003/07/12(Sat)