クスノキ



クスノキ

 クスノキ科の植物で九州、四国、本州の暖地に生えます。縄文時
代から利用されてきた植物と考える人もあり、本来の自生ではない
という考え方もあります。実際、有用樹であったことは間違いなく、

『日本書紀』には、舟はクスノキで作ったと書かれていますし、法
隆寺の百済観音などはクスノキで造られています。神社に巨木が多
いのもまた事実です。

 クスノキは常緑樹ですが、春に若葉が出て古い葉を落とします。
この時落ちる古い葉は鮮やかな赤色をしていることが多く、若葉の
淡い緑との対比で非常に美しいものです。若葉の葉柄には、赤いも
のと青いものがあり、前者をアカグス、後者をアオグスと呼びます。

 クスノキは非常に大きくなります。最大の樹は、鹿児島県の蒲生
町にある樹で特別天然記念物に指定されていますが、日本の全ての
樹の中で最大のものです。この樹の根元の周囲は33.6mありま

す。この樹はもともと境内を土盛りしたので根元はさらに2m下に
あるのだそうです。本来の根元の太さはさらに大きいのでしょうね。
この樹の内部には直径4.5mの空洞が10mの高さまであり、畳

8枚が敷けるのだそうです。まさにトトロの映画に出てきたような
樹ですね。但馬で私が知っている最大のクスノキは、旧出石町役場
の前にある樹です。胸高周囲が4.3mあります。私はこの木の大
きさを必修クラブの時間に弘道小学校の子どもたちと測りました。
 
 葉をちぎってもむととってもいい香りがしてきます。樟脳を主成
分とする精油が含まれているのです。葉には約30%、材には約6
0%含まれているそうです。昔はこの木の幹、根、葉から樟脳を取

って輸出していたんです。でも、第一次世界大戦中にドイツでテレ
ピン油を原料に化学的に合成することができるようになり廃れたと
言われています。しかし、現在でも日本は天然樟脳の主要生産国な
のだそうです。
 
 樟脳を精製したものがカンフルです。よくTVでお医者さんが
「カンフル」っていいません?強心剤になるのです。また、チンキ
や軟膏として神経痛や打撲傷、寄生性皮膚病などに塗布するのだそ
うです。
 
 この樹にはアオスジアゲハが卵を産みます。但馬にアオスジアゲ
ハがそれほどいないのは、クスノキが少ないことが原因の一つなの
でしょう。

at: 2001/08/14(Tue)

目次