ウマノスズクサ



ウマノスズクサ
 
 ウマノスズクサ科の植物で、川沿いの土手などに多い。私の自宅
の近くには非常に多く、用水路脇の土手や水田法面や線路の土手な
どに見られる。
 
 子どもの頃、この植物の葉をもんで遊んだのを覚えているが、な
んのためにそんな遊びをしたのかは忘れてしまった。調べてみると
毒草であり、今から思うと危ない遊びだったようだ。
 
 6月~7月頃にひしゃげた壷のよう独特な形をした花をつけるが
自宅近くではなかなか見ることができない。精勤な農家の方がしば
しば草刈りをされるからである。この草刈りによって花は稀にしか
つけられないが、群落が維持されているのも事実だと思う。
 
 この植物を最も特徴づける花や実を載せずにこの稿を書いている
のは、ジャコウアゲハとの絡みである。「但馬の生きものニュース」
の写真を見てね。
 
 ウマノスズクサは有毒である。そのことを独特の匂いで虫たちに
知らせている。「私は危険だから近づかないでね」というメッセー
ジである。昆虫との化学戦争に勝ちを収めたウマノスズクサは勝利
 
宣言よろしく匂いを発している。ところがこれを逆手に取った虫が
現れた。ジャコウアゲハである。この虫はウマノスズクサの毒を解
毒する能力を得て食草とした。ライバルがいないので食べ放題であ
 
る。ジャコウアゲハはこの草をただ食べるだけではない。ジャコウ
アゲハは体内にウマノスズクサの毒成分をため込むのだという。そ
れでジャコウアゲハを食べた鳥は次からはジャコウアゲハを食べな
 
くなるという。ウマノスズクサはその香りで毒草であることをアピ
ールし、ウマノスズクサの毒をためたジャコウアゲハは目立つ姿形
で毒虫であることをアピールする。自然はさらに巧妙で、姿形をジ
ャコウアゲハに似せることで毒もないのに難を逃れるチョウもいる
のである。

at: 2002/08/19(Mon)

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