
ヒメクグ
カヤツリグサ科
カヤツリグサ科は似た種類が多いのでなかなか難しい。その中でこ
のヒメクグは特徴的な形をしており一目で分かる。ヒメクグはやや湿
ったところにいくらでもある。観察会でも似た種類はありませんから
と言ってきた。似た種がないというのは実に気持ちがよい。そう思っ
て安心していた。ところがこの世界は深い。
何年か前にわざわざ神奈川県まで行って、生命の星・地球博物館で
『神奈川県植物誌2001』を買った。新幹線の中で読んでいるとヒ
メクグが出てきた。驚いた。ヒメクグの他にアイダクグとタチヒメク
グが載っている。アイダクグは、別名タイワンヒメクグともいい、ヒ
メクグの変種になる。これまでも変種はあるけれどもそんなことは気
にしないでヒメクグで行きましょうとしてきているのでまあ許しても
らおう。ところが、タチヒメクグは、別種である。前2種は多年草で
あるが、タチヒメクグは1年草である。アイダクグとタチヒメクグは
よく似ており共に小穂の鱗片の竜骨上に小刺がある。神奈川県植物誌
では神奈川県以東(北)で、アイダクグとされているものにはタチヒ
メクグが含まれているのではと指摘されている。タチヒメクグの分布
最南西端は今のところ箱根町である。但馬にはないと決めつけずに見
ていかないといけないなあ思う。
ヒメクグ、アイダクグ・・・・多年草。根茎は太い。節より花茎は
単生する。
タチヒメクグ・・・・・・・・1年草。根茎は細い。花茎は単生す
るが叢生するように見える。
生育地にも明かな差がある。
タチヒメクグは、シロガヤツリ類やアオテンツキが生育する減水裸
地に生育するが、ヒメクグやアイダクグは、そのような湖沼や河川の
岸の減水裸地には生育しない。
こういう一般の図鑑にない種類は困る。
at: 2002/10/14(Mon)