
ササユリ
関西でユリと言えばササユリ、関東ではヤマユリである。
万葉集にはユリを詠んだものが11首ある。詠まれた地を知ると
その種類が分かる。例えば、大伴家持が越中で詠んだものはヤマユ
リだと推定できる。他の歌は関西で詠まれたものが多いので、それ
らはササユリだと思われる。もっとも万葉集のユリの歌は、相聞歌
なので、ヤマユリでもササユリでも大差はない。私はササユリの方
が好きだけど。
ササユリはユリ科の多年草である。葉がササに似ている。ササを
知っている人なら、誰でもササユリと名前をつけると思う。花の色
は淡いピンクまたは白。但馬では6月に咲くものが多い。
日陰の山道などに多い。里山の管理がされなくなってめっきり少
なくなったという。確かに今でもよく刈られて草原状になっている
林縁でたくさん咲いているのに出会うことがある。
ササユリの一番の敵は人間である。里山の管理をしなくなって生
育地をなくしてしまった。細々と咲いていると掘り盗られてしまう。
栽培は非常に難しいと言われている。山の土の中で微生物との微妙
な共生関係を持っているのだろう。畑ではウイルス病にかかると言
う。ササユリを掘り盗ることはササユリを殺すことでしかない。
ササユリは発芽して4~5年経ってようやく茎を立てる。花が咲
くのはその後である。ササユリは花が咲くまで6年ほどかかるので
ある。里山をきれいに整備してササユリが咲くようにしたいものだ。
ササユリは早朝や夕方遅くなるとよい香りを出す。ササユリの香
りを楽しめるようなゆったりとした暮らしをしたいものだ。
at: 2003/06/25(Wed)