河畔林1


  
 河畔林は美しい。
 河畔林の四季は美しい。春は新緑の頃がいい。毎日見ていてもあき
ない。薄い緑がだんだんと濃くなっていくのだが、樹によって、また
樹の中でも葉によって微妙に色が異なる。これが日々変わっていくの
だ。秋もまた、紅葉が美しい。同じような話だが、こちらは緑からの
変化にあきない。
 
 写真は冬景色である。水に映る白い樹の姿が美しい。葉のない河畔
林もいい。暖冬のせいでこんな日は滅多にない。ましてや勤め人の我
々には撮影できるチャンスがまずない。偶然が重なって、休日にこん
な河畔林が出現すると上ノ郷橋の上にはカメラを持った人間がひしめ
いたりする。上ノ郷の河畔林は日高町で最も人気高い景観スポットで
ある。
 
 この景観が年々、貧相になっている。木が伐られるのである。1本
伐られただけですっぽりと穴が空く。なにしろ大きな樹は、幹周りが
3m近くある。枝は広がり葉は直径10m範囲に及んでいる。これが
一気に失われるのである。
 
 河畔林は民有地である。堤外民地と呼ばれる土地である。だから樹
も私有物である。たずねてみると幹周り3m近い樹がわずか5万円ほ
どで売られているらしい。河畔林の樹は材質が悪くそれくらいにしか
ならないという。そんな値段なら、立木として買い取りたい。私はそ
う思う。

at: 2002/03/23(Sat)

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