Sparganium erectum L.
円山川の植物の第一番でミクリを取り上げます。理由は、最近、非
常に驚いたからです。何に驚いたかというと、レッドデータブック近
畿2001でこの植物がAランクになっていたことです。この種は、全国
版レッドデータブックでは準絶滅危惧の扱いです。兵庫県にも非常に
多くあり、同じような扱いです。驚いた私は、すぐに著者の一人の方
にメイルを書きました。すると、近畿では、確かに兵庫県には多いの
だそうですが、他の府県では極めて少ないという返信が返ってきまし
た。Aランクが妥当なんだそうです。しかしまだ信じられない思いで
す。
実がクリの実に似ているのでミクリという名前になっている。
ミクリ科の多年草。北半球に広く分布し、オーストラリアにも見ら
れる。
全国の湖沼、河川、水路などに群生する多年生の抽水植物。北日本
では比較的ふつうだが西日本ではやや稀。ミクリの仲間は兵庫県には
ミクリ、ナガエミクリ、ヤマトミクリ、ヒメミクリの4種類分布し、
全て絶滅が心配されている。但馬にはミクリとナガエミクリの2種が
分布する。(日高町でヤマトミクリを確認したという話を聞いている
が、私はまだ見ていない。また、竹野川にオオミクリがあるという話
も聞いているが、これもまだ確認していない。)
ミクリは流れがゆるくて泥のたまった場所に多い。但馬には比較的
多く生育し、円山川本流(日高町、豊岡市、城崎町)、六方川(豊岡
市)、立石川(豊岡市)、竹野川(竹野川)、佐津川(香住町)、久
斗川(浜坂町)、谷山川(出石町)、出石川(出石町)、小野川(出
石町)で見たことがある。
山東町や生野町でも特急バスの窓から見かけたが、どの種類である
か確認していない。但馬では、バスの窓からでも確認できるほど多い
のだと思う。
六方川、谷山川には、とりわけ見事な群落が見られる。谷山川には、
ミズアオイとセットであり、遊歩道のすぐ隣にあって、どんな観察も
可能である。手に取って観察したいのならここである。
よく似たナガエミクリは、湧水河川の流水中に多く、沈水状態で水
路を一面覆うこともある。日高町の池にもあったが除草で絶滅した。
この池のナガエミクリは実に運のない群落で、所有者宅に何度足を運
んでも電話をしても全く通じず、ついに取り尽くされてしまった。
at: 2001/10/18(Thu)