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2002年度活動レポート
鳥取県視察研修(2003年1月25-26日)
ネイチャークラフト、里山の自然を食べよう(12月8日)
ヒガンバナ調査(9月22日)
メダカ調査(8月18日)
ホタル調査(6月1日〜7月31日)
カエル調査(5月19日)
タンポポ調査(4月21日)
【実施日時】2002年12月8日(日)9:30〜12:00
【参加人数】約30名
【天 気】雨
雑木林で集めた木の実や落ち葉、木切れやツル、いろいろなものを使って、か
ご編みやリースづくりをしました。ブローチや木のオモチヤを作る子ども達も
いました。
ツルは今回はクズを使いました。簡単に採れて、編みやすいからです。練習に
はぴったりです。その後、ヤマブドウの籠も作ってみましたが、ツルが細い分
だけ時間もかかりました。最初のスタートの部分だけ、本を見て工夫し、あと
は、経験のみだと思います。どんどん数を編むことです。自分で編んだ籠をもっ
て帰って、ミカンを入れておくと、少し暖かい気分になりました
リースやブローチの接着剤はホットボンドがお勧めです。少しもろいので、ホッ
トボンドで仮どめして、さらに木工用ボンドでとめるというのもありかもしれ
ません。
鍋はいつもどおり、とても温まりました。
【実施日時】2002年9月22日(日)9:30〜12:00
【参加人数】約20名
【天 気】曇り
【調査結果】ヒガンバナ調査マップ2002
広報もあまりしていなかったヒガンバナ調査。予想通り、こぢんまりした
よい調査でした。さて報告です。
9時前にコウノピア研究室に入るとすでに、代表と食料班代表がなにやら
高校生に怪しい指示を出していました。鍋の準備です。男子高校生がノコギ
リ片手にギコギコと獣の足を切っています。いつだったかに捕まった猪です。
冷凍庫に入っていたのでカチンコチンです。これがなかなか切れないのです。
代表は地図をにらんで調査区域の設定です。企画サイド(代表+副代表;
私のこと)では、人数に応じて、2分割案から小さな谷にまで調査隊を投入
するという壮大な案まで考えました。集合時間の9時半に揃った車が8台、
人間もようやく20人です。一人で調査じゃ寂しいということで2〜3名1
班、6班編制となりました。
まずはコウノピアの研究室でヒガンバナのお勉強です。
5分ほどの話を簡単に書いておきます。
*ヒガンバナ調査は始めての調査だ。
これまでに但馬では誰もやっていない。こういう初めての調査はやるだ
けでも意味がある。
*何本あったというような細かいことはいいので雰囲気をつかんで帰って
きてほしい。
とにかく初めてなのだから「これを絶対に!!」という細かな思いはな
い。次年度の課題をつかむつもりで見てきてほしい。
*人に見せたくなるような立派なのがあったら報告してほしい。
名所が作れたらラッキーだ。来年、みんなで見に行こう。
*なぜこんな調査をするのか?
・一度もやってない。この時期しかできない期間限定の調査である。
この時期を逃すとまた1年待たないといけない。
・どうやら人の影響のあるところに生えているらしい。
山の中とかにはない。人が暮らしているそのごく近くに生えている。
・最近減っているような気がする。
そんな気がするが確かなことは分からない。お年寄りに聞き取りをし
ないといけない。
*ところでヒガンバナって?
・いろんな名前や話があるが不吉なのが多い。
縁起が悪い、家にもって帰ると火事になる、毒々しい、・・・
・毒草だ。
食べると危ない。
・人が農耕と一緒に持ってきたらしい。
・救荒食だったらしい。
水でさらすと毒が抜けて食べられる。江戸時代に飢饉にあった村では
この球根を食べたところは助かったらしい。最悪の時に利用できるよ
うに不吉な言い伝えがあって、普段は避けているという説もある。
・モグラよけに使っていたらしい。
畦とかに穴が空くと困るのでこの毒でモグラを避けたという説がある。
堤防にあるのも同じ理由だという人もあるが、逆にこの球根が枯れる
と穴が空いて堤防が崩れるので堤防にはあってはいけないという人も
ある。どっちが正しいんだろうか?
ということで、10時から1時間半の調査が始まりました。11時半には
帰ってくるんだぞといって開始です。
豊岡市、城崎町、出石町、日高町を含む広い調査範囲です。
基本的には、どの車も地理をよく知っている運転者と高校生の記録者が乗
っています。私の班は、高屋から戸牧へ向かい山を越えて妙楽寺から佐野、
納屋。そこを終えて日高町へ入り、私の住む上石を抜けて最南は江原駅の手
前。そこで山際を日高東中学校へ向かい、八代の谷へ突入。帰りには、円山
川を見ながら郷公園へ。
私の班の結果
高屋〜戸牧にはヒガンバナは少ない。火葬場へ向かう道沿いや田んぼの区
画の端にわずかに見られる。また人家の庭先にも少ないながらも見られる。
連続して生えているところはほとんどない。全く見られない水田区画も多数
ある。
車から一歩も降りないというずぼらな調査であった。しかし一度だけ車を
降りた。怪しいカヤツリグサが目に入ったからだ。ハマスゲではないかと思
ったのだ?根ごと抜いて香りを確かめる。この植物は漢方では香附子(こう
ぶし)と呼ぶ、塊茎に芳香があり同定の決め手になるのだ。よい香りがした。
間違いない。またカヤツリグサのコレクションが増えた。
妙楽寺の用水路沿い(山側)に点々と見られる。山際には畑、墓地が多い。
墓地にはヒガンバナが多い。鉄道側の水田にはほとんど見られない。
上佐野から佐野へとはいると集落の中を流れる川沿いに連続して生えてい
るところが数カ所でてきた。大きなかたまりは数十の花からできているので、
100〜300といった規模だろうか。1ヶ所絵になる場所があった。思わ
ずデジカメを取りだして撮影という気になったが、時間が惜しい。まだ調査
区の半分も終わっていない。
空港へ向かう道の右側は集落(上佐野)である。このあたりは八条校区で
は最も昔ながらの景観を保つ純農村地帯である。集落側にはあちこちにヒガ
ンバナが見られる。しかし集落の逆側(谷の左側)の田には1株しか見られ
なかった。ほ場整備の影響だろうか?谷の田なので田の法面が広い。にもか
かわらずわずかに1株しかないのは奇妙な感じがする。(ここでは、一番奥
の田でオオアカウキクサが消えているのが確認でき、ショックを受けた。豊
岡における最南の自生地であったのだが)
日高町に入ると非常に多くなる。
西芝では10日ほど前に草刈りをされたところがあり、そこに1000株
ほどの群落がある。今日の調査では一番管理された場所だ。昔はヒガンバナ
の咲く前に草刈りをするのは百姓の誇りだったはずなのだが最近は稀になっ
てきているらしい。ここは精勤に草刈りがされ、年々立派な群落になってい
るように思う。
池上からバイパスに入るとJR沿いに並んでいる。豊岡の線路沿いにはほ
とんど見られなかったが日高には非常に多い。豊岡の線路沿いは笹が茂り、
線路に近づけないようになっているが、日高町ではそのような場所はない。
管理の仕方が違うようだ。その影響だと思うが、国府駅から江原駅の近くま
では数百単位の群落が幾つも続く。
国分寺〜山本〜八代谷の入り口まで数十ほどの群落のかたまりがまばらに
出てくる。
八代谷は多い。数百単位の群落が至るところにある。ここはヒガンバナの
谷である。春にシロバナタンポポが群生していた場所にヒガンバナが並んで
いる。在来タンポポと相性がいいのだろうかと思って見た。春にケンサキタ
ンポポが見られた土手にも多い。しかしここはクサマオの中に埋まっており、
見栄えはあまりよくない。盆過ぎ頃に草刈りをすれば見事な群落になるだろ
うにと思う。
帰りに円山川左岸を見る。竹林の横にわずかに見られる。堤防の内側は車
からは見られないが後で確認すると大きな群落があった。
出石川合流点近くの右岸堤防の内側には大きなかたまりが見られる。
一枚の地図に落としてまとめをして解散と思っていたが、気比方面へいっ
た佐竹隊が帰ってこない。「久美浜も調査するのか」といく前に気合いが入
っていたので、きっと執拗な調査をしているのだろうということで、帰りを
待たずにまとめをした。
分かったこと
*調査地点のどこにもヒガンバナはあった。
市街地は調べていないので有無はわからないが、田や畑があるところで
は、量を無視すると見つけることができる。
*豊岡には数百というような群落はなかった。
*豊岡の場合、田んぼの中の畦には極めて稀にしか見られず、山裾とか田
の区画の外周などに比較的多く見られた。要するに水田地帯の周りには
あったが中には稀だということ。多分、2度のほ場整備で畦のヒガンバ
ナは失われたのだろう。
*草の中に埋もれているような花が多かった。畦とかの草刈りが昔ほど真
面目に行われていないらしいということ。
*日高は多い。
考えたこと
*ほ場整備をした田の中の畦にはないのでは?
それにしても豊岡は日高に比べると明らかに少ない。
*堤防とかのヒガンバナは工事の時に土の中に入っていたのでは?
技術短期大学校前の花壇のヒガンバナもこの可能性が高いと思う。
*ヒガンバナの咲く前に草刈りをしないところが多くなったが、このあと
も草刈りをしなければヒガンバナはじり貧になるだろう。冬の間に十分
な光が入るとは思えない場所が多くあった。
おまけ
午後、私は日高町の調査をしてしまった。静修校区、三方校区です。たく
さんあった。嫁さんは午後和田山に行ったのだが、彼女によると八鹿も多い
し和田山も多いらしいです。しかし中間の養父には少ないらしい。にもかか
わらず彼女の意見では、但馬最大(?)の群落は、養父の道の駅の前の円山
川堤防にあるらしい。今だつぼみだが数日中にその全貌が明らかになるらし
い。そこを通る人はチェックしてみよう。そして、もっとすごいのを発見し
てこれこそ但馬一と主張しよう。
おまけのおまけ
事務局長の報告が入った。
9月24日、八千代町に行きました。
豊岡日高八鹿養父和田山山東青垣加美八千代と通りましたが、
加美町がすごく多かったです。
このルートで見ると、但馬の中では、日高町が目立ちました。
あぜ一面ヒガンバナの風景。秋の農村風景では、加美町、八千代町など北播
磨の風景に但馬は負けていると思いました。
【実施日時】2002年8月18日(日)9:30〜12:00
【参加人数】約20名
【天 気】曇りときどき小雨
●調査地点1 上鉢山の用水路
確認された種類
タイリクバラタナゴ(幼)多い
フナ(幼・成)
タモロコ(幼)多い
ニゴイ(幼)
カワムツ(幼)
メダカ
ナマズ(成)捕獲できず
特徴
全体として幼魚が多かった。
大きなフナ、ナマズが確認できた。
メダカはいたがカダヤシはいなかった。
●調査地点2 六方田んぼ大篠岡付近の用水路
トンガリササノハガイ
ドブガイ
【調査結果】ホタル調査マップ2001-2002
今年度のホタル調査の結果をまとめました。
傾向は昨年と同様です。2年分をまとめると、ゲンジボタルの生息確認40地点。
ヘイケボタル20地点です。
ゲンジの方が多い傾向にあります。これは目立ったという面もあるでしょうが、
実際、ゲンジの方が生息地点も個体数も多いのではないでしょうか。
その理由は、ゲンジの生息地が小川や山際の流れのある水路であるのに対しヘイ
ケは田んぼ周辺の溝や池等であり、ヘイケの生息環境のほうが大きく失われ、ゲ
ンジの生息環境はそれほど打撃を受けていないということではないでしょうか。
実際に平野部の水田と溝でのヘイケボタルの確認例が非常に少ないのです。六方
田んぼにはヘイケボタルはいません。
神美の穴見川のゲンジボタルが多いのは、典型的な環境といえますが、佐野から
妙楽寺にかけての水路(蓼川用水路)の、ゲンジボタルの多さが目に付きます。
この水路は3面コンクリートです。山裾を通っていること、1mぐらいのコンク
リートの壁の上には土の部分や草地があること、などが特徴です。3面張りでも
工夫すればゲンジボタルは住めるということですね。
豊岡の市街地での確認例が2件。豊岡高校の横の水路と山王山から大開通り方向
の水路です。ゲンジかヘイケかは未確認です。
豊岡実業高校前の新川用水路にゲンジボタルを呼び寄せることは不可能ではない
なあと思い始めています。豊岡の市街地は、里山や川に近く生き物の移動が確保
されるという特徴があると思います。森や、池、湿地のネットワークをうまく作
ればビオトープ都市ができると思います。
大開通りにはツバメの巣が多いですし、神武山にはアオバズクがやってきます。
実高の校庭には今年、ハッチョウトンボがやってきました。弥栄町のKさんの庭
には食草を植えて置いたらギフチョウがやってきたという実績があります。
用水路から水をひく池を豊小や八条小、豊岡高校、豊岡実業高校など立地条件が
良いところにつくるというのはどうでしょう。メダカやタナゴは必ず入ってくる
でしょうし、市街地の生き物ネットワークの核になると思うのですが。
【実施日時】2002年5月19日(日)9:30〜12:00
【参加人数】約40名
4班に分かれて調査
ア ト ウ ヌ シ
マ ノ シ マ マ
ガ サ ガ ガ ヘ
エ マ エ エ ビ
ル ガ ル ル
エ
ル
田鶴野小学校から北側(野上) 34 3 8 0
宮島〜一日市 57 22 1 0
福田〜栃江 70 37 10 0 (2)
コウノピア前の田んぼ 100 40 0 0
三江小学校裏 13 14 1 0
六方田んぼ(百合地) 220 15 0 0
六方田んぼ(木内) 30 5 0 0
上鉢山 135 35 0 0
神美(立石) 10 15 0 0
片間 169 3 0 1 (2)
中筋(土渕) 88 0 0 0
田んぼでは圧倒的にアマガエルが多い。
予想した以上にトノサマガエルもいた。
ウシガエルは盆地の北部に多い。
ヌマガエルは1個体だけ。
結論
トノサマガエルは生き延びている。しかし、条件のよい田んぼや水路は少ない。
補足
コウノピア棚田ビオトープの畦を歩くと、トノサマガエルか次々に飛び込む。あ
れが本来の田んぼなのだろう。一度歩いてください。
一日市の田んぼ | カエルを餌にするシマヘビ |
トノサマガエル | ウシガエル |
【実施日時】2002年4月21日(日)9:30〜12:00
【参加人数】約20名
【調査結果】
今年は詳細調査を予定していた。場所を決めて、一本残らず探ししつくそ
うという計画である。豊岡盆地のタンポポのおおよその傾向は分かったので、
徹底した調査をやろうと思ったのだ。候補地は、玄武洞、伊賀谷、八代神社、
郷公園周辺(祥雲寺、法花寺)など。いずれも帰化タンポポと在来タンポポ
が混生している。セイヨウタンポポ、シロバナタンポポ、在来の倍数体タン
ポポが隣接してあるところもある。
天気予報は悪い。野外調査はまず無理だろう。とりあえず住宅地図を代表
に準備してもらった。実をいうと写真も準備してもらった。この季節の小学
校の先生というのか、私くらいの年齢の教師は、連日連夜忙しいのである。
もっとも代表も学校をかわったばかりなので、ひょっとするとそれ以上に忙
しいはずなのだが、ここに人間性の違いが出てしまった。我々はよい代表を
もったということだ。
脱線ついでに書いておくが、私はスライド写真を山のように持っている。
馬にエサを与える飼い葉桶というのがあるが、その桶みたいなコンテナに何
杯もあるのでそれこそ馬に喰わせるほどある。しかもそれが整理されていな
い。何度か試みてはいるが、無理である。その山の中からタンポポの写真を
探し出すことは難しい。しかも、最近は、何でもかんでもデジカメで撮って
いる。そのマクロの性能は驚異的である。このマクロで撮ったタンポポ写真
を越えるものがスライドの山の中にないことも分かっている。探す意欲がわ
かないのは仕方ないと思いませんか? そんなら液晶プロジェクタ使ってパ
ソコンから出せよと言う声もあるが、それは次回にしよう。
ということで、本題に戻る。
雨を予想した私は、タンポポの話を1時間することになっているので、準
備をすることにした。心の準備だ。なんと資料も作ってしまった。えらい。
資料とは以下のものだ。具体的な中身はその場で勝負である。タンポポなら
2時間くらいは話せるだろう。なんたって、今の5年生が2年生の時に「タ
ンポポ博士」として30分間話した経験がある。何とかなるだろう。
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但 馬 の タ ン ポ ポ の 話
平成14年4月21日;コウノピア
タンポポの体のつくり
葉
根
花(頭花、総苞片、花びら、がく)
果実
タンポポの暮らし(カンサイタンポポを例に)
生活史
冬の様子
・ロゼットで過ごす
春の様子
・開花、結実
夏の様子
・根だけで過ごす
秋の様子
・葉を出してくる
タンポポの増え方
花から
有性生殖
根から
無性生殖
外来のタンポポと在来のタンポポ
見分け方
・総苞外片の反曲
・花の色
・果実の色
生活史の違い
・夏の過ごし方
種子の作り方の違い
・有性生殖、無性生殖
雑種
・カンサイタンポポが片親
但馬のタンポポ
帰化種 セイヨウタンポポ
アカミタンポポ
在来種 2倍体種 カンサイタンポポ
倍数体種 クシバタンポポ
ケンサキタンポポ
ヤマザトタンポポ
シロバナタンポポ
(キビシロタンポポ)
タンポポ調査から見えてきたこと
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さて、朝になると予想通りの雨である。せめて実物でも持っていこうと日
高町竹貫に向かった。ここに在来の倍数体タンポポがあることを2週間前に
見つけていたのだ。セイヨウタンポポもシロバナタンポポも隣接して生えて
いる。今年は例年になく開花が早いので心配だが何本かはあるだろうと思っ
ていたが、目的地に向かう道の両端にタンポポは見えない。花が散っている
上に、雨で閉じているのだ。「これだ。今日のタンポポの話のつかみはこれ
に決めた。」やっぱり外には出てみるものだ。
1時間の話が終わった。小学生にはちょっと辛かっただろう。しかし、生
物部の高校生がいる。彼らに面白い話をするためには少しは程度を上げない
といけないだろう。小学生に分かるようにも話せるが、それにはもっと絞ら
ないといけない。今日は、総論と決めていたので仕方ないとしよう。
おまけとして、あそこで話さなかった話題を一つ。
写真を見ていただこう。きっと情報局長がうまく構成してくれるだろう。
1枚目は、セイヨウタンポポとシロバナタンポポと倍数体タンポポの写真
である。多分在来の倍数体タンポポは、ヤマザトタンポポと呼ばれていたい
たものに近いと思う。場所は八代神社である。大きさは、
在来倍数タンポポ>シロバナタンポポ>セイヨウタンポポ
である。一般にカンサイタンポポは、セイヨウタンポポより小さく、アカミ
タンポポは、さらに小さい。
2枚目は、セイヨウタンポポと在来の倍数体タンポポである。これは、ヤ
マザトタンポポとケンサキタンポポの中間みたいな感じである。セイヨウタ
ンポポが非常に大きい。こんな見事なセイヨウタンポポは初めて見た。園芸
種に使えると思ったほどの大輪の花である。花びら(正確には一つ一つが花)
が300以上あった。これまでに出会った最高のものでも200を越えては
いなかったので破格の数である。セイヨウタンポポというのは全く奥深い。
本場ヨーロッパには1000もの系統があるというのも納得である。
話が終わって、いよいよ現地調査である。祥雲寺で調べてもいいのだが、
玄武洞へ出発した。
車を降りると、タンポポが見えた。色から見て、帰化タンポポに間違いな
い。雨の中けなげに開花している唯一の個体であった。セイヨウタンポポは、
雨にも強いのだろうか?セイヨウタンポポは、受粉せずに種子が作る。実は
極論すると開花する必要さえないのだ。雨で濡れて困ることはそれほどない
のかもしれない。
数m先に在来種があった。ケンサキタンポポのようにも見えるが、よく分
からない。玄武洞の参道を北側から上がっていく。ところどころに在来タン
ポポがある。終わりかけのムラサキケマンの花、ツルカノコソウなどが目立
つ。
久しぶりに玄武洞へ。中学校理科の2分野の教科書に必ず載る有名な場所
である。
再び駐車場へ。今度は、天ぷらの食材探しである。タンポポの花は定番で
ある。今年はオドリコソウなども追加された。私は、スイバを見て遊んでい
た。玄武洞はなぜか雄株が多い。雌株はほとんどない。不思議だ。
おまけその2
先日、学校で畑仕事をした。うちの畑は毎年タンポポだらけになる。タン
ポポはすごい。毎年、4月にはスコップで掘り返すのに次の年にはしっかり
と復活している。掘り返した根は大人の小指の太さで30〜40cmは軽く
ある。根の下の方は切れてしまっているので、それが復活しているのか、種
子から育っているのか興味深いところである。
今年は、介助員さんに「この根はきんぴらにするとおいしいですよ」と話
した。すると翌日きんぴらになってきた。おいしかった。その1品は近日中
にHPで紹介しよう。