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2004年度活動レポート

  • 視察研修(2月26-27日) [PDFファイル:112KB] 
  • 冬鳥調査(1月23日)
  • バッタ調査(9月19日)
  • 魚類調査(8月1日)
  • ホタル調査(2)(6月5日)
  • ホタル調査(1)(6月5日)
  • タンポポ調査(4月25日)
    
    
    
    冬鳥調査TOP
    【実施日時】2005年1月23日(日)9:30〜12:00 【参加人数】約40名 【レポート】      大きな水害を受けた豊岡盆地の冬鳥の状況はどうだったでしょう。泥を被った 田んぼや河川敷では、そこで暮らすネズミやモグラといった小動物が減り、そ れを冬の餌とするタカの仲間の姿も例年にくらべ極端に少なくなりました。 倒れたヤナギに引っ掛かったビニールゴミ。野上の河川敷でノスリを1羽だけ 観察できたほかは、冬のタカの姿はありませんでした。その代わりに、兵庫県 レッドデータブックAランクのミサゴが、大きな魚を抱えながら頭上を横切る のを観察できましたね。 また、野上のコウノトリ保護増殖センターの谷では、ハチゴロウが松の上に巣 を作っている様子が観察できました。野生のコウノトリが観察できるというの も、とっても凄いことだと思います。 楽々浦まで足を伸ばしましたが、カモ類は円山川本流に分散した様子でした。 野上〜赤石の河川敷が禁猟区となったこと、ひのそ島の掘削工事で適当な休み 場所ができたことなどが影響として考えられます。楽々浦では目の前で大きな 魚をくわえて食べるのに苦労しているカンムリカイツブリの観察もできました。 以下、当日観察した野鳥リストです。31種 コウノトリ、ミサゴ、ノスリ、トビ、アトリ、カワラヒワ、スズメ、ホオジロ ツグミ、ヒヨドリ、シロハラ、カシラダカ、オオジュリン、モズ、 セグロセキレイ、カラス、キジバト、エナガ、シジュウカラ、ジョウビタキ、 セグロカモメ、ハシボソカラス、マガモ、カルガモ、ヒドリガモ、コガモ、 オナガガモ、オシドリ、カワウ、カンムリカイツブリ、アオサギ 番外:ヌートリア(楽々浦)
    バッタ調査TOP
    【実施日時】2004年9月19日(日)9:30〜12:00 【レポート】      コウノトリの郷公園前 円山川河川敷(野上付近) 昨年に続き、バッタ調査をしました。今回はコウノトリの郷公園周辺と円山川 の河川敷を調べました。郷公園の方がたくさんの種類が見られました。山が近 く、川や田んぼもあり、環境が多様であったということだと思います。文化館 周辺で見られる小さなバッタはマダラバッタでした。芝生に行くとトノサマバッ タとクルマバッタモドキが見られ、鎌谷川の土手に行くとクルマバッタが見ら れます。河川敷ではコバネイナゴが地に比べてたくさん見られました。イネ科 植物が優先する草原ということでしょうか。また、昨年に続きイナゴに寄生す るマメハンミョウの姿も見られました。 トノサマバッタ、クルマバッタ、クルマバッタモドキ、マダラバッタ、 コバネイナゴ、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、クサキリ、ツユムシ、 ウスイロササキリ、ヒシバッタ、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、 クマコオロギ、ハラオカメコオロギ、シバスズ、ヤチスズ、マダラスズ     
    魚類調査TOP
    【実施日時】2004年8月1日(日) 【参加人数】 【レポート】 有意義な調査になりました。魚とりは楽しいですね。しかし、あんなにたくさ んタナゴがいたとは。佃煮ができそうでした。もちろん、再放流しました。 おそらくあの場所で稚魚が育っているのだと思います。川底は砂または泥。 六方川の下流域の泥とは少し違う。泥が深すぎても貝はすめないのだろう。 今まで気づきませんでしたが、素手で魚に触るとき、特に稚魚の場合は注意が 必要ですね。うろこが簡単にはがれたり、弱ったりします。特にイチモンジタ ナゴはその傾向が強いように思いました。 タイリクバラタナゴ、イチモンジタナゴ、フナ、コイ、ニゴイ、 モツゴ、タモロコ、ナマズ、ギギ、カマツカ、ボラ
    ホタル調査(2)TOP
    【実施日時】2004年6月12日(土)20:00〜 【参加人数】約30名 【レポート】      豊岡市役所から豊岡総合高校にかけての水路が新川水路、そこから総合庁舎に まわると亀山水路。いずれも市街地の中です。予想以上にたくさんいました。 大勢で見るからたくさん発見できるということでしょう。完璧に生息地です。 亀山水路ではゲンジボタルが2匹見つかりましたがこれは、放虫の可能性もあ ります。 新川水路   ヘイケボタル 42匹 亀山水路   ヘイケボタル 47匹        ゲンジボタル 2匹(放虫の可能性あり     
    ホタル調査(1)TOP
    【実施日時】2004年6月5日(土)20:00〜 【参加人数】約40名 【レポート】      豊岡高校達徳会館前集合  妙楽寺に向かう水路(蓼川用水)豊岡市との合同ホタル調査  とても楽しかったです。ゲンジボタルと一部ヘイケボタルを確認。数は全部で 100以上だが、距離が1キロぐらいあるから密度は低い。地元にお住まいの方の 情報が得られてよかったと思う。知っている人にとっては豊高周辺の市街地に ホタルがいるのは当たり前。水路の泥上げをしてカワニナを大量にやっつける 状況が良くないらしい。水路掃除を惰性でやっているが、少し工夫すればもっ と密度が上がるのではないか。また、ほんの少し水路改修をしてホタルが繁殖 しやすくしてやればホタル乱舞も夢ではなかろう。 詳細報告は別途豊岡市からなされると思うが、いずれにせよ市街地のホタル調 査は楽しいし、市民への啓発というか、地元発見というか、とても素晴らしい ことだと思ったしだいです。 ゲンジボタル 100匹 以上 ヘイケボタル 2匹     
    タンポポ調査TOP
    【実施日時】2004年4月25日(日)9:30〜12:00 【参加人数】約30名 【レポート】  昨年は市民研でタンポポ調査をしていない。豊岡盆地のどこに在来タンポポが あるのかほぼ分かってしまったので、ちょっとモチベーションが高まらなかった のだ。そこに、タンポポ調査・近畿2005という面白い企画が現れた。2004年は、 その予備調査になる。この調査では、これまで謎だった在来の倍数体タンポポも 扱われる。この調査の兵庫県の世話人をされている人と自然の博物館の鈴木武さ んにお願いして新潟大学の森田竜義氏に生の標本を送ることも可能になった。こ れで一気に豊岡盆地のいや但馬のタンポポの謎が解けるに違いない。  ということで今年の市民研のタンポポ調査はタンポポ調査・近畿2005のための 予備調査として企画された。              集合して説明。  実は、今回の調査は結構ややこしいのである。  タンポポ調査・近畿2005は、3次メッシュといわれる全国共通の長方形区画 (1.2km×0.8km;約1平方km)内にどんなタンポポがあるかを調べる。メッシュ 数は、兵庫県だけで1万に近い。多いところでは一つのメッシュに8種類のタンポ ポが生育する。また外来種と在来種の雑種が知られていて、その雑種タンポポも 調べるので、全てを調べ上げるにはとんでもない手間ひまがかかる。これを近畿 一斉に行うのである。  さらに証拠としてサンプルを事務局である人と自然の博物館に送らないといけ ないのである。今回は、外来タンポポまで全てを調べるのは止めた。これまでの 調査で分かっている在来タンポポの生育地に出かけていって、そこに外来タンポ ポがあれば、それも一緒に持って帰ってきて、送ろうという作戦である。調査隊 への指示は、 *在来タンポポを見つける。  ・頭花を一つ取る。  ・同じ株で種子ができていればそれも取る。 (・その株を根ごと掘りとる。市民研独自の指令)・・・森田先生に生で送るため  ・地名等のデータを書いた紙を含めてポリ袋にいれてくくる。 *同じ場所に外来タンポポがあれば、頭花と種子を取って、データと共に袋へ。  メッシュ地図と過去の調査の結果を持って、市内の数カ所へ調査隊が出ていっ た。しかし、4月25日は、遅かった。暖冬の影響で、在来タンポポは、ほとん ど咲き終わっていたのである。このあたりにかつてあたっという地図を見ながら 探すが、半分も見つからない。       調査隊がコウノピアに帰ってきてからが大変である。  ・調査用紙、筆記用具、ティッシュペーパー、セロテープ、ハサミなどが登場 する。 調査用紙は、折れば封筒が作れるようになっている。最初にハサミで封 筒の形に切り取る。次に調査用紙にデータを記入する。調査地点のメッシュ番 号、採集地名、採集者名、総苞外片のかたちについて、・・・・。調査員には小 学校の低学年もいるからこれが大変だった。データが書けたらのりしろを貼り付 けて封筒の完成。  タンポポの頭花は1枚のティッシュペーパーでそっとくるんで、果実をセロ テープで貼って、封筒に入れて、封をして、・・・・。これをどんどんこなして いく。この封筒を置いておくとタンポポの頭花はきれいに乾燥する。出来上がっ た数十の封筒をまとめて後日人と自然の博物館に送るのである。  作業の途中では、顕微鏡で花粉の大きさを見てもらったりもした。  カンサイタンポポは2倍体のタンポポだが、それ以外は、在来種も外来種も倍 数体である。2倍体は花粉の大きさが揃っているが、倍数体は花粉の大きさが一 つ一つ非常に違う。怪しげな在来タンポポは、この方法で2倍体かどうかを チェックする。これは、40倍程度の拡大でも分かる。市民研の備品である ファーブルで十分分かる。タンポポ調査にはファーブルは必携である。  この調査でやり方を覚えた人がコウノピアに持ってこられたものも結構あり、 予備調査としては充実したものになった。  市民研の調査を終えたあとで、竹野などのタンポポを含めて、発泡スチロール の箱に保冷剤を入れて森田先生のもとへ発送した。調査結果 主任研究員の調査 を含めて、但馬全体で分かったことを報告する。  新潟大学の森田先生によるとヤマザトタンポポ、ケンサキタンポポというのは 正体がよく分からないそうだ。クシバタンポポは、外見からも区別できるが、紛 らわしいものがあった。ヤマザトタンポポのタイプ標本は牧野植物園にあって、 写真がHPに公開されている。出石郡、おそらく出石町で採られたものだろう。 そのヤマザトタンポポの台紙には、クシバタンポポと書き込みがある。つくづく 難しいなあと思う。このあたりの微妙なところは、全て、アイソザイムとかを分 析しないと分からないので、今後とも森田先生のお世話になるのだろう。せっせ と送ろうと思う。  美方町秋岡のものは、完全に白かったので、キビシロタンポポとしてよいと思 う。人と自然の博物館の鈴木さんによると兵庫県新産らしい。  温泉町丹土(但馬牧場公園)では、種名が決定できないタンポポが見つかった。  この調査まで、但馬海岸沿いには広くカンサイタンポポが生育していると思っ ていたが、そうでないことが分かった。豊岡市の田結〜城崎町にかけて、竹野町 〜香住町の竹野よりのごく一部、浜坂町の鳥取県の近くにしかない。香住町と浜 坂町の大半にはどうもないらしい。  但馬にあるのは、カンサイタンポポ、ヤマザトタンポポ(ケンサキタンポポを 含む)、クシバタンポポ、キビシロタンポポ、シロバナタンポポ、セイヨウタン ポポ、アカミタンポポ、正体不明種の少なくとも9種。  セイヨウタンポポやアカミタンポポと思われていたタンポポのほとんどは在来 タンポポとの雑種であることが分かった。外部形態から見て、それが外来のもの か在来のものかもはや判断は困難な時代になったようだ。  可能性のある種は、まだまだある。近隣の県にセイタカタンポポとかオキタン ポポとかツクシシロタンポポとかがあるのだ。岡山県と広島県の石灰岩地帯で、 正体不明の2倍体タンポポが発見されているという話も聞く。  2005年の調査が楽しみである。 ヤマザトタンポポ 豊岡市玄武洞の近くの3ヶ所、城崎町来日、城崎町大会議館 横、豊岡市法花寺 村岡町輝山、村岡町長坂、村岡町丸味、養父市関宮町外野、 美方町茅野、日高町中、豊岡市妙楽寺、豊岡市目坂、日高町山宮、温泉町前、日 高町名色 クシバタンポポ 豊岡市法花寺の2ヶ所、日高町神鍋山の2ヶ所、温泉町青下、 温泉町春来 竹野町竹野、養父市関宮町大久保 キビシロタンポポ 美方町秋岡 正体不明(2倍体・黄花) 温泉町丹土    2005年も市民研はタンポポ調査を行う。 タンポポの種名などのややこし い判断は、最終的には花の送付先である県立人と自然の博物館で専門家が行う。 気軽に参加してほしい。詳細は以下のホームページにある。 http://www.nature.or.jp/shoko/Tampopo/Kinki_2005/           追記   微妙なタンポポの見分け方1シロバナタンポポとキビシロタンポポ  和歌山や大阪では、完全に黄色ではない淡い黄色のものもキビシロタンポポと している。その手の判断で行くと、但馬産のヤマザトタンポポの少なからぬもの はキビシロタンポポとしてよいのかもしれない。もともとヤマザトタンポポの白 花品をキビシロタンポポと考える意見もある。但馬でも完全に白いものが見つ かった。  区別点  シロバナタンポポは、花茎が長い。明らかに葉よりも長い。  キビシロタンポポは、葉よりも短い。    総苞外片が、シロバナタンポポ 離れる         キビシロタンポポ 密着する    果実の色も異なる。  微妙なタンポポの見分け方2 ケンサキタンポポとヤマザトタンポポは、区別 できない。 ヤマザトタンポポとクシバタンポポも外見からでは区別が難しいも のがある。          ヤマザトタンポポ:花の色は淡い黄色(写真右)  クシバタンポポ:花の色は、濃い黄色から淡い黄色まである(写真左)  一般的には、花茎が太く、花が大きいのがクシバタンポポ        細めで花が小さいのがヤマザトタンポポ        種子数が多いのが、クシバタンポポ        少ないのが、ウスギタンポポ    典型的なクシバタンポポは、葉が櫛の歯状になる、総苞外片が大きくて、ごつ い感じがする。