アオマツムシ
木の上で鳴くスズムシがいる、と連絡をもらったことがある。しかも色は緑色だという。アオマツムシは但馬ではなじみの薄い虫だったので、緑のスズムシといっても無理はないのかもしれない。但馬に侵入したのはここ10年ぐらの間だろうか。
約100年前東京で発見されたのが最初で、しだいに都市部を中心に広がった。現在では関東以南の公園や街路樹に普通にいる。もともとは中国や東南アジアにいた虫らしい。
体長は約2.5センチ、雌は全身鮮やかな緑色、雄は褐色の模様がある。8月下旬から10月にあらわれ、最盛期にはリー、リー、リーとうるさいほどの鳴き声になる。一生を樹上で生活し、幼虫、成虫ともに街路樹の葉を食べる。
ちょうど9月の学校祭の頃、暗くなってから校庭を歩いていると、トウカエデやシラカシの樹上から大合唱が聞こえてくる。正体をつきとめようと、何度も挑戦したが、簡単には見つからない。 アオマツムシの姿を見るのは、街灯付近の壁にとまっていたり、建物の中に入ってきたりと、偶然のことが多い。