カミキリムシの仲間
昆虫の世界に興味を持つ最初の虫はクワガタムシ、そしてチョウとトンボ。しかし、カミキリムシも意外とファンが多いグループなのだ。むしろ、この世界の方がのめりこみが激しいように思う。特に、色とりどりでスマートなデザインのものが多い山地のカミキリに出会うと、すっかり魅了されてしまう。
ところで、生き物をコレクションの対象にすることは間違っているのだろうか。切手の収集と同じような感覚で虫を集めることには抵抗感がある。研究といいながら集めているといつの間にか収集の魅力に取り付かれてしまうのだ。私は但馬の虫以外にはほとんど興味がないし、ましてや他の地方の標本を買ったり交換したりする気もしない。必要な標本は採集し、趣味の部分はデジカメで楽しむというのがいいのかもしれない。


シロスジカミキリ ゴマダラカミキリ キボシカミキリ

最も身近なカミキリムシをあげるとするとゴマダラカミキリだろう。ずんぐり型、デザインもそれほど引き付けられることもなく、平凡なカミキリムシで、庭のモミジなどにもいる。イチジクにいるキボシカミキリは、小学生を少しだけ、ときめかせるものを持っていた。よくイチジクの木を見に行った。そして、巨大なシロスジカミキリ。これを捕まえると、箱に入れて、しばらく飼育(単に閉じ込めていただけか?)していた。たいてい紙箱の隅をかじって脱出してしまうので、さすが紙切り虫だと納得していた。シロスジカミキリはアベマキやコナラなどの幹に大きな穴を開けて脱出してくるので、そこから出る樹液にたくさんのクワガタムシなどが集まる。シロスジカミキリに出会うチャンスが減ったこととクワガタムシの減少は関係があるのかもしれない。

  
ホシベニカミキリ       ヤツメカミキリ

照葉樹林の住人ホシベニカミキリ。タブノキにつく。注意深く探せば見つかる虫だが、簡単ではない。なかなか魅力的な虫だ。神武山、三開山など。サクラの幹にはヤツメカミキリ。これも簡単には見つからない。見事な保護色で幹のコケの色と同化している。いずれも平地のカミキリムシだ。
  
ラミーカミキリ 
ラミーカミキリは外国から入ってきた虫。40年前は但馬では珍種だったが今では平地で最もポピュラーなカミキリムシ。マオの類やムクゲにいる。
 
           ルリボシカミキリ        イッシキキモンカミキリ スネケブカヒロコバネカミキリ 
豊岡盆地の周辺の山地に行くと山のカミキリムシに出会うことができる。ルリボシカミキリは憧れの虫だった。平地では見つからないので実物を見たのは高校生になって1000mを越す但馬の山々に登るようになってから。大岡山から奈佐の森林公園あたりには生息している。イッシキキモンカミキリはクワに集まる希少種。鮮やかな斑紋や、いろいろな個人的な事情で長らく追い求めていた虫だった。やっと実物に出会ったのは奈佐の森林公園。あの時はほんとうに手が震えた。スネケブカヒロコバネカミキリは長い名前どおりすねに毛があるユニークな虫。ネムノキに来ていた。