ハムシの仲間

ハムシという虫には特別な思い入れがある。高校生の頃、生物研究室で見た光景。桐の標本箱の中に隙間なく詰まった色とりどりの小さな虫。こんな世界があるのかと、ほんとうに驚いた。名前の通り植物の葉を食べる草食性の昆虫。時に激しく食害するものがいる。
 
  コガタルリハムシ           ヤナギハムシ
4月の円山川の河川敷を散歩していると、大きなギシギシの葉に穴がたくさん開いている。よく見ると小さな黒い幼虫が葉を食べている。これはコガタルリハムシ。一見ヨモギハムシに似ているが、他人のそら似とでも言おうか、まったく違う。5月にはいると今度はヤナギがボロボロになる番だ。これはヤナギハムシの仕業。
 
  クロボシツツハムシ          バラルリツツハムシ
今度はノイバラに目を向けてみよう。いろいろな虫が集まっている。クロボシツツハムシとバラルリツツハムシだ。ノイバラ以外の多くの植物につくが、ノイバラには必ずといっていいほどいる。ツツというのは筒型の体形から来ている。クロボシツツハムシはテントウムシのように見える人もいるだろう。バラルリツツハムシは光沢があり美しい!

 
ブタクサハムシ         ヨモギハムシ
河川敷に繁茂したオオブタクサ。秋になると大きな株に成長する。 その葉をボロボロにしているのがブタクサハムシ。ブタクサ専属のハムシだ。2000年以後但馬には入ってきた帰化昆虫だ。ヨモギハムシは在来種。ヨモギ専属だが、ボロボロにすることはない。秋遅くに交尾産卵する。
 
                                     スゲハムシ

ネクイハムシの仲間は、湿地や池にすんでいる。スゲハムシは山地の湿地に多いが、平地のコウノトリの郷公園では、スゲにたくさんいる。他に豊岡盆地ではミクリを食べるキンイロネクイハムシが見られる。但馬では山地に行くとカツラネクイハムシ、チュウゴクオオネクイハムシがいる。

 
スキバジンガサハムシ 
       
金色に光る見たこともない不思議な虫。ジンガサハムシだ。ジンガサは陣笠に見立てたもの。スキバジンガサハムシはヒルガオにいる。案外どこにでもいる。これらはカメの甲羅のようでもあるのでカメノコハムシ類と呼ばれる。

 
アオカメノコハムシ
  アオカメノコハムシは山地のアザミ類にいる。茶色型と青(緑)型がある。


サンゴジュハムシ

庭のサンゴジュの生垣をボロボロにするのはサンゴジュハムシ。目立たないが、害は思いのほか大きい。


ドロノキハムシ

山地のドロノキや低木性のヤナギ類にいるのがドロノキハムシ。但馬では山地でしか見ない。大きなハムシだ。



イタドリハムシ

平地から山地のイタドリに普通。春早くから現れる。斑紋が鮮やか。