田んぼの虫・ゲンゴロウ類
豊岡盆地の田んぼや溝、休耕田などで見られるゲンゴロウ類は17種類。 この中でゲンゴロウ、スジゲンゴロウ、マダラシマゲンゴロウの3種類は1970年代から80年代にかけて絶滅したと考えられます。ゲンゴロウ類は田んぼや溝、池に住み、小魚やオタマジャクシなどを食べる肉食昆虫です。1998年から2000年にかけての3年間、コウノトリ市民研究所で「ゲンゴロウ・タガメ大捜索」を行いました。ほんとうにゲンゴロウ(4cmの大型種)が絶滅したのか確かめたかったからです。新聞などで調査を呼びかけましたので、いろいろな情報が集まりました。中には「昨年うちの子がバケツに入れていた」というような情報もありましたが、残念ながら発見できませんでした。ゲンゴロウとよく間違えられるのはガムシです。大きさはよく似ていますが、黄色の縁取りがありませんし植物を食べる全く別のグループです。発見の知らせに現物を見に行くと、たいていこのガムシです。もう、姿も忘れられた存在になっているようです。それではなぜ絶滅したのでしょう。但馬でゲンゴロウが生き残っている場所は山奥の棚田などに限られることからも、水質や餌の汚染が疑われます。ゲンゴロウの生息状況は、小型のサギは住めるのに大型のコウノトリは絶滅したというのに、少し似ているように思えます。
コガタノゲンゴロウ(2.7cm) スジゲンゴロウ(1.4cm)
豊岡市三宅1976年
大型
×ゲンゴロウ
コガタノゲンゴロウ
クロゲンゴロウ(あまり大きくないが、ここでは大型に入れておく。コウノトリ郷公園では個体数が確実に増えている。冬の越冬個体も多い。)
中型
×スジゲンゴロウ(全国的な希少種)
マルガタゲンゴロウ(コウノトリ郷公園では増えている)
シマゲンゴロウ
ハイイロゲンゴロウ(飛翔力が強く、道路の水溜りなどにもやってくる)
シマゲンゴロウ マルガタゲンゴロウ
コウノトリの郷公園1999年
小型
ヒメゲンゴロウ(個体数は多い)
キベリクロヒメゲンゴロウ((六方田んぼの溝に多い)
クロズマメゲンゴロウ(山際の休耕田や湿地に多い)
チャイロマメゲンゴロウ(但馬では山地に多い。コウノトリの郷公園では2004年に初めて記録)
マメゲンゴロウ
コシマゲンゴロウ(普通の水田にもよく入っている)
×マダラシマゲンゴロウ
極小型
ツブゲンゴロウ
チビゲンゴロウ(河川敷の干上がりそうな水溜りなどに多い)
ケシゲンゴロウ