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ノスリ  No.61




ノスリ
 (タカ目タカ科)

馬糞鷹(まぐそだか)と呼ばれる冬の常連

 ノスリという名前の由来はよく分からない。獲物を狙
う時、野を擦るように低空飛行するからという説もある。
トビに比べて少し小柄なノスリは、背中から見るとトビ
と同じような茶色をしている。農耕馬が生活と結びつい
ていた地方では、ノスリのことを「馬糞鷹」と呼んだら
しい。不名誉なあだ名を貰ったものだが、それだけ古く
から人と近い距離を持った鳥といえる。

 このあたりでも冬鳥としてしばしば観察できる。河川
敷の木や田んぼの電柱などに止まって、地上の獲物をじ
っと狙っている。ノスリの餌となるのは主に野ネズミ。
獲物を見つけるや急降下し、鋭い爪でわしづかみにする
のは他のタカと同じ狩のやりかた。

 トビ色の背中をしたノスリは、前から見るとクリーム
色がよく目だつ。飛んだ時はさらに白っぽく、わきから
腹にかけてのチョコレート色の模様と、翼の裏の斑がこ
の鳥の識別ポイントとなる。

 ノスリは他のタカに比べて顔の表情が穏やか。いつも
トビやカラスに追いかけ回されているところを見ると、
性格もおとなしそうだ。厳しい但馬の冬を生き抜くそん
なノスリを見ると、つい親近感を持ってしまう。

(写真・文 コウノトリ市民研究所研究員 高橋 信)

※2004年2月22日(日)掲載

at: 2004/02/25(Wed)




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