トンガリササノハガイ
No.55
トンガリササノハガイ (イシガイ目 イシガイ科)
豊岡市の六方田んぼの排水路には、イシガイやドブ ガイなど大きな2枚貝がたくさんいる。中でも細長く てユニークな形をしているのがトンガリササノハガイ だ。兵庫県レッドリストAランクで、絶滅の危機に瀕 している生き物だ。 琵琶湖水系にいる笹のような形をしているササノハ ガイの近縁種で、貝殻の後方がさらに鋭くとんがって いるためトンガリササノハガイと命名されている。 トンガリササノハガイを含むイシガイ科の仲間は淡 水魚と面白い共生関係を持っている。タナゴの仲間は 貝に卵を産み付け、貝のえらで孵化した稚魚はしばら く貝に育まれ、やがて貝殻から出てくる。また、貝の 子供(幼生)は別の魚であるヨシノボリなどにくっ付 いて栄養をもらい大きくなるのだ。 3面張りコンクリートの排水路でこんなことをやり ながらトンガリササノハガイは生きている。絶滅危惧 種の割にはしたたかな生き物だ。 殻長約12cm。不食。
コウノトリ市民研究所 研究員 稲葉一明
(平成15年8月19日掲載)
at: 2003/08/23(Sat)
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