オオカラモズ
No.53
オオカラモズ (スズメ目モズ科) 体長三十センチ
十五年ぶりの珍鳥
昨年十一月十四日、豊岡市六方田んぼで白い大型のモズ 一羽が確認された。中国大陸に生息するオオカラモズ(大 唐百舌)と判明。最初の発見から数日後には、少し北の円 山川河川敷で別個体を確認。一九八七年秋に六方田んぼで 確認されて以来実に十五年ぶりの珍鳥の飛来に、地元の鳥 仲間の間で大きな話題を呼んだ。
今冬は西日本を中心にオオカラモズの飛来報告が相次ぎ、 各地で野鳥ファンを喜ばせた。普通のモズに比べ二周りほ ど体が大きく、モノトーンな色合いが気品高い印象を与え る。
田んぼの杭や枝の先端に止まり、その大きな白いシルエッ トは遠くからもよくめだつ。餌はバッタや小動物。六方田 んぼの個体は次第に活動範囲を広げ、出石川を越えた小坂 地区の田んぼでも観察された。
豊岡盆地のニ個体は一月末までにいずれも姿を消した。 よくめだつ鳥なので当地で猛禽に襲われた可能性が高いが、 思いがけず豊岡盆地に迷い込んだ彼らが、今も中国大陸の どこかで生き延びていてくれればと思う。
(写真・文 コウノトリ市民研究所研究員 高橋 信)
※2003年4月10日掲載
at: 2003/04/11(Fri)
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