ヒメサナエ
No.50
真夏に但馬の渓流を歩くと、流れに沿った石の上にスリムで小さなトンボが見つかる。体長約4センチ、黒地に黄色の模様があり、腹部の先端に二本の小さな白い突起を持っている。 ヒメサナエは日本に約30種いるサナエトンボの仲間。中国や台湾によく似た種はいるが、日本ではただ一種でヒメサナエ属を形成する。本州、四国、九州に分布しているが、生息地は比較的限られている。県のレッドデータブックでは、Cランクの「存続基盤が脆弱な種」に指定。 春から初夏にかけての但馬の渓流は、ムカシトンボやサナエトンボ類が次々と現れ、とてもにぎやかだ。ヒメサナエはこれらのトンボが姿を消して寂しくなる八月をピークに現れるので、このトンボに出合うと、つい追いかけてたくさんの写真を撮影してしまう。腹部を高く上げて逆立ちするようにして静止するのが得意のポーズだ。
****** この記事は8月22日に掲載されたものですが、写真が反転していて、全身が黄色に輝く不思議なヒメサナエになっており、相当なショックを受けました。
at: 2002/12/21(Sat)
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