大群で渡来する冬鳥

アトリ（スズメ目アトリ科）

　今年は秋らしい季節を感じないまま、夏から冬に一足
飛び。冬鳥たちの動きもあわただしい。

　アトリは秋の深まりとともに大きな群で北から渡って
くる。年によって渡来数の変動が大きく、但馬では一昨
年は多かったが、昨年はほとんど姿を見なかった。今年
はアトリの数が多い。あちこちの田んぼで大きな群が観
察される。

　アトリはスズメより少し大きく、体下面の橙色と白が
よく目立つ。常に群で行動し、田んぼで落穂などをつい
ばんでは、突然、驚いたように一斉に飛び立って他の田
んぼに移動する。

　写真は豊岡市六方田んぼの電線に止まったアトリの群。
アトリの数が多いせいか、これらの小鳥を餌にするタカ
の仲間も集まってきている。

（写真・文　コウノトリ市民研究所研究員　高橋　信）

※2002年11月26日(火)掲載