ケヤリムシ
No.48
ケヤリムシ (環形動物門 ケヤリムシ科)
磯に咲く花
磯の観察は楽しい。変な生き物がいっぱいいる。 きれいなイソギンチャクを見つけたので、スノーケルセンターの本庄先生に種類を聞くと、ケヤリムシだと教えてくれた。イソギンチャクは刺胞動物でこちらは環形動物だから全然違う生き物だ。釣りの餌にするゴカイの仲間だというから驚いてしまった。 ケヤリムシは棲管という巣のようなものを作って、胴体はその中に入っていて岩にくっついている。この美しい房状のものは、鰓冠といって、呼吸をしたり餌を捕ったりする器官だ。刺激を与えると棲管の中に引っ込んでしまう。 ケヤリというのは毛槍のことで、さやに鳥の羽毛をつけて飾りとした儀仗用の槍のことだ。出石のお城祭りで槍振りをしているけれど、確かに先のところがふさふさになっている。あれに似ているということで命名されたらしい。この生き物を見て、良くそんなことが思いつくなあと思う。磯の観察から大名行列の勉強までしてしまった。
コウノトリ市民研究所 研究員 稲葉一明
2002.11.07 掲載
at: 2002/11/07(Thu)
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