ケリ
No.47
ひたむきに子育て
ケリ (チドリ目チドリ科) 体長35センチ
春から初夏の豊岡市六方田んぼでは、あちこちから 「キリリリ」という鋭い鳴き声が聞えてくる。ここ数 年間で生息数を一気に伸ばした、チドリの仲間ケリで ある。
ケリは早春に暖地から飛来し、田起こしが始まるま でにいち早くヒナをかえす。そのタイミングは絶妙で ある。ヒナは産まれてすぐに自分で餌を採り始め、親 鳥はヒナを外敵から守ることに徹する。
子育て中のケリの家族に近づくものには、親鳥が容 赦なく攻撃をしかけてくる。カラスやトビが彼らの上 空を飛ぶだけで、親鳥はスクランブル発進して追い払っ てしまう。近づく人間に対しても同じだ。
飛ぶと白い翼が美しいケリも、地上にいるときは目 立たない。怖い顔つきをしているが、そのひたむきな 子育てぶりには感心する。
(写真・文 コウノトリ市民研究所研究員 高橋 信)
※2002年7月30日(火)掲載
at: 2002/07/31(Wed)
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