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キンイロネクイハムシ  No.3




良好な湿地環境の指標

大篠岡から三宅に抜ける半坂峠に小さな池がある。この池は古くから地元の生物関係者の間では注目されていた。それは驚くほど多くの貴重な生物が残されているからだ。ところが最近この池にブラックバスが持ち込まれた。池の生態系への影響が心配される中、9月24日、地元の人の協力で池干し作業が行われ、130尾のブラックバスが退治された。
 この池では昨年の春にキンイロネクイハムシが見つかっている。果たして、この時期まで野外で活動しているだろうか。探してみると池の片隅にあるナガエミクリの葉の上に簡単に見つかった。キンイロネクイハムシはこの池に生息する生物の中でも貴重な存在だ。但馬では過去に1例だけ関宮町で採集記録がある。確実に生息しているのはこの池だけだ。溜池の多い県の南部にはかなりの生息地があるが、それでも兵庫県のレッドデータリストでは絶滅危惧種のCランクだ。食草のミクリそのものが但馬では少ない植物だ。
 ネクイハムシの仲間は古くから湿地や池に住み続けてきた生き物で、化石としてもよく発見される。良好な湿地環境の指標ともいえる。但馬の山にはスゲハムシという北方系の種がいるが、こちらもは兵庫県Cランク。しかし但馬ではキンイロネクイハムシのほうがはるかに珍しい。ミズバショウで有名な大屋町の加保坂湿原にはカツラネクイハムシ、チュウゴクオオネクイハムシというさらに珍しい種がいる。

at: 2001/12/04(Tue)




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