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田んぼの学校04,06,13  No.135



04,06,13 田んぼの学校   9:30-12:30 晴れ時々曇り 参加者約120人
 
 梅雨の中休みでやや曇りの晴れといったところ。田んぼの学校にはちょうど良い。参加者はスタッフ入れて120人、ちょっと寂しかったかな。今日はテレビカメラも2つ入っている。思えば、郷公園前の田んぼビオトープでは今年初めての田んぼの学校である。この冬に設置された桟橋を使って水路を渡り、近道が可能になった。ありがたいことだ。今回はスタッフも充実しており、法人化したことも間違っていなかったなどと思ってしまうのである。
 この田んぼビオトープ、4年目で冬場はカモの餌場となり、今もカルガモが住んでいる。昨年魚道も設置され、ドンコなど肉食の魚も大きくなっており、しかも最近では大きなナマズが入っているという情報や、ウシガエルも育ちつつあり、つまりそのえさとなる小動物、昆虫類が一時期のにぎやかさを失ってしまった。トンボの発生については明らかに1年目、2年目とは違い寂しい限りである。ニホンアカガエルの上陸も、昨年一昨年のようなうじゃうじゃ感はなくなった。今回の調査結果はどうなるのだろうかと不安と楽しみで望んだのである。


 カルガモの卵

 ナマズの稚魚

 観察された生き物リスト
鳥類:カルガモの卵4
爬虫類:イシガメ
両生類:イモリ、ニホンアカガエル、トノサマガエル、アマガエル、ウシガエル(オタマジャクシ)、シュレーゲルアオガエル
魚類:ドジョウ、タモロコ、ドンコ、ヨシノボリ、ナマズ(稚魚3)
昆虫類:アメンボ、オオコオイムシ、マツモムシ、タイコウチ、ミズカマキリ2、ヒメガムシ、マルガタゲンゴロウ、クロゲンゴロウ、ヤゴ(ヤンマ型)マルタンヤンマ、ギンヤンマ、ヤゴ(トンボ型)シオカラトンボ、ショウジョウトンボ 他、ヤゴ(イトトンボ型)
甲殻類:ミナミヌマエビ、モクズガニ
ヒル類
クモ類:コモリグモ類
貝類:タニシ、ドブシジミ

ナマズの稚魚がいた。親ナマズの遡上と産卵があったと考えられる。大ナマズが上がっているという情報は本当のようだ。シュレーゲルアオガエルの上陸直後の小さなカエルがたくさんいた。ウシガエルは上陸直前のもの2匹。上陸直後のニホンアカガエルたち。
ゲンゴロウ類は少ない。ミズカマキリはかろうじて確認。ミナミヌマエビの密度は低い。モクズガニの高幅2センチほどの小さなやつが一匹採れた。もうここまで遡上しているのだ。たぶん魚道を使ったのであろう。
ナマズ、ドンコ、ウシガエル、カルガモ、食物連鎖上位の生きものが増える一方で、その餌となる小動物たちは密度が落ちていると思う。常時湛水ビオトープであるから、浅い池になってしまったということだ。このことは良く考えてみると、最上位のコウノトリの餌が増えたということもいえるのではないか。常時湛水や冬季湛水など多様な田んぼビオトープが増えていくことは良いことではないかと思うのである。


 マルタンヤンマヤゴ

 ヤンマ型ヤゴが6,7匹捕れたが、上田さんと同定してみた。非常に難しいのであるが、マルタンヤンマであることがわかった。検索表に寄れば確かにマルタンヤンマということになる。このトンボ但馬では珍しいらしく、羽化させることになり、僕も現在ひとつ家で飼育中である。今までにミミズ、アマガエルのオタマなどを食しているがメダカはまだ食べていない。きれいなヤンマなので是非成虫を見てみたいものだ。


 オイカワ(水路で取れたもの)魚撮影用の入れ物を作ってみた。

 今回は、但東町学校給食センターからいただいた大鍋の鍋開きでもある。鳴海食糧局長と奥田理事の手配で、大鍋の台というか鉄板のかまどを鉄工所で加工してもらっている。久美浜漁協から借りていたいわゆる300人鍋よりもさらに大きいと思われ、400人鍋、おわん一杯づつなら500人鍋と言えるかもしれない。すなわちこれまで経験した最高250人来たとしても十分に対応できるのである。また、雨の日用として購入したテントも本日は日よけとして初使用された。これもなかなか具合が良い。さらに、市民研究所用のおわん100個も導入。これらは鳴海食糧局長のご尽力によるところが大きいが、法人化した市民研究所は着々と充実しているのである。

 大鍋とテント 

 しかし、前日の12日も大阪からの田んぼの学校受け入れ、その晩は豊岡市街地のホタル調査、そして本日の田んぼの学校。土日はずっとこんなことばかりしている。ほとんど病気といわれても仕方がないかもしれない。
 しかしよく考えてみると、小島主任研究員などは、京都府城陽市からわざわざスタッフとして来られるわけであるから、こちらはもっと重症かもしれない。我、遠くにありて後方支援をいたしたく考えておれども、あの田んぼの学校の魅力忘れがたく遠く候。豊岡の地で楽しく田んぼの学校をされること京都の地において漫然としておられず、つい駆けつけてしまい候。ということであろうか。まったく頭の下がる思いである。なれば我々コウノトリの郷に住むものとしては田んぼの学校やら、ホタル調査やら、大鍋の手配やら、いくら連荘でやろうとも大したことはないのである。まさしく主任研究員としての本望というものであろう。
at: 2004/06/20(Sun)




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