オオヘビガイ
No.7
(写真:オオヘビガイの外観と、中身)
磯に行くと岩に蛇がとぐろを巻いたように、あるいはうねうねと這うように貝殻のようなものがくっついている。オオヘビガイといって、巻貝の一種らしいが、パイプ状になっていて巻いていない。
ある本にこの貝が非常に美味で、牡蠣よりも濃い味と書いてある。ずっと気になっていたが、この間香住の磯の観察会に参加したときにそれがたくさんあるのを見て、竹野のMさんと少しこの貝について話をした。お互いまだ食べたことがない。そのときはウニを食ったのだが、子供にせがまれ本日再度その磯へと出かけて、ついにこの貝に挑戦した。
石で貝を破壊して実を引きずり出し海水で洗って刺身で食う。
予想以上に美味である。僕はたいていのものを食べてうまいというが、この貝については格別である。ヒザラガイについてもうまいと思うがそのレベルではない。うまく言い表せないが、あえて言えばバイガイとサザエの中間みたいな味で、うまみは倍ぐらいの濃度である。肉の部分はこりこりとしゃきしゃきとの間で、肝の部分はアワビ、サザエの肝の様で、味はさらに濃いが苦味というか生臭さはない。
おそらくいろいろな貝類の中でもこの味は最上位の部類に位置するであろう。書物によると、刺身もいいが茹でたほうをより褒めている、ツブの様でより甘く深いそうだ。
しかしなぜあまり食べられていないかというと、やはり理由があり、採集には道具が必要で面倒であることが最大の理由であろう。また、大きさもアワビサザエとは比較にならないほど小さく、タニシぐらいの身である。見た目が変だということはあまり関係ないと思う。現在でもわずかであるが食べる地域が残っている。
at: 2002/05/06(Mon)
|
|