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田んぼの学校20130217 冬の田んぼ、アカガエル調査


参加者約28名 天気 曇り 少し雪
たいへん寒い日でしたが、結構な人数になりました。
さすがこの時期の参加者は熱心です。

雪がちらつくなか、田んぼビオトープで生き物調査。
昨年、一昨年と大雪でまともな調査ができませんでしたが、今年は久しぶりに真冬の田んぼを観察できました。
子供達もお母さん達もたいへん熱心でした。

アカガエルの卵塊は20程度数えることができました。
観察された生き物
メダカ、
マルガタゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、マツモムシ、コミズムシ、ユスリカ幼虫、トビゲラ仲間幼虫、
トンボ型ヤゴ、イトトンボ型ヤゴ、
ミズムシ

真冬なので、マツモムシの動きが鈍い、普通はひっくり返って泳いでいるのだが、低温の仮死状態のため表向いて浮かんだまま動かないのがいて、表向きの写真が簡単に撮影できました。

寒いので、一時間ほどで終了して大鍋を食べました。地元野菜と日本海の魚のつみれ。美味しかったです。
余談ですが。観光の人もたくさん集まってきました。篠山から来た人と楽しくお話しました。


田んぼの学校1月度(2013.1.20)

実施日:2013年1月20日
参加人数:約20人
天気:曇り

ちょうど第3回の企画展「冬の猛禽類」の展示準備が大方終わっていたので、最初に展示写真を見ながら猛禽類の説明をしました。ホームステイ体験のニュージーランドの学生を引率する先生方の、飛び入り参加もありました。
そのあと、雪の残る園内を一周して、野鳥観察を行いましたが、昨年同様、ほとんど鳥がいない状況でした。見た鳥の写真を載せておきます。撮影は稲葉主任研究員。

アオサギ

ヒヨドリ

トビ

セグロセキレイ

カワウ

コウノトリ

ホオジロ
10種類の鳥しかみれませんでしたが、帰ったあとに食べたカニ汁はとっても美味しかったです。


ムネアカオオアリ


ムネアカオオアリ  ハチ目アリ科オオアリ属
Camponotus obscuripes
胸赤大蟻

森林内で地面や樹幹を観察すると、いろいろなアリがいることに気づく。大きいのや小さいの、いろいろいる。中でも大きくてスマートで赤い存在感のあるやつがいる。

ムネアカオオアリ。クロオオアリと並んで日本最大級のアリで。胸部と腹部の一部が赤褐色なのでよく目立つ。スマートで、胸部がシュッとしていて格好が良い。あごも立派で、目もかわいい。働きアリの体長は1センチを超える。

 このアリの巣は土中ではなく枯れ木に作られる。朽木にアリが営巣することは良くあると思うが、このムネアカオオアリはシロアリのように乾燥した木材にも穴を開け、住宅にも被害を発生させることが報告されている。
 ムネアカオオアリの天敵にトゲアリというのがいる。トゲアリの新女王アリがムネアカオオアリの巣に侵入して、そこの女王を殺して居座り、トゲアリの働きアリに自分の子どもを育てさせ、やがてムネアカオオアリは死滅してしまう。
 そういうこともあってか、ムネアカオオアリとトゲアリが同時に観察できる場合が多いように思う。

 ムネアカオオアリは、飼育しやすく、大きくて観察もしやすいので人気があり、生体つきの飼育セットが販売されていたりする。
 但馬では珍しい種ではない。


モエギザトウムシ


モエギザトウムシ 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目マザトウムシ科カワザトウムシ亜科
(Leiobunum japonicum)
萌黄座頭虫

モエギザトウムシ、比較的小型のザトウムシで、豆粒のような胴体。体長は3~4mm程度。歩脚はザトウムシの中でも相対的に長い。人手のはいった雑木林や林縁などに多い種で、但馬の里山ではもっとも普通に見られる種だと思う。

6月ごろ小さな幼体が見られ、8月上旬ぐらいから成体になる。同時に複数個体を見かけることが多い。本種は通常,背に棘はないが,まれに棘がある。

「モエギ」とは、おそらく「萌黄」つまり、「新緑の明るい緑色」から来ている。実際は爽やかな新緑の色とはかなり違う場合が多い。黄土~深緑、黒褐色のメタリックな感じの背中の色が特徴といえよう。小さくて分かりにくいが、見方によるとなかなか美しい。

歩脚の関節の近くの色が白っぽいので、胴体と共にこの脚の模様も結構目立つ。

モエギザトウムシ。小さなメタリックな胴体を長い脚で支え、体を揺らせ、SF的に森の地面や樹幹を闊歩している。主として肉食、虫の死骸などを食べるらしい。


田んぼの学校20121216 木の実や蔓や木切れで工作


参加者 約50人 天気 曇り
先週の土日は雪が降りましたが、今日はまずまずの天候でした。
衆議院選挙の日ですが、結構な参加者となりました。

アケビ、フジ、などの蔓をベースに、スギやヒノキ、まつぼっくり、ドングリ、ソヨゴやガマズミ、ナンテンなどの赤い実などでネイチャークラフト。

クリスマス前なので、毎年熱心な参加者。子どもたちも一生懸命です。

すてきなリースができたかな。

大鍋は、和田山町弥生が丘で捕獲されたシカ、香美町村岡区の天然ナメコ、地元の野菜。
とても美味しかった。
(写真:高橋理事撮影)


アカサビザトウムシ


アカサビザトウムシ 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目カワザトウムシ科フシザトウムシ亜科
(Gagrellula ferruginea (Loman,1902))
赤錆座頭虫

 森林生活者であるザトウムシ。移動能力が乏しいので、同一種でも地域的な分化が著しいグループである。

鳥取大学の鶴崎先生の資料では、但馬は地理的分化の集中度が非常に高い地域となっている。今回のアカサビザトウムシは、染色体数が2n=14~20まで多様に分化している。

 アカサビザトウムシ、体長4~6mm程度。背中に一本の棘が生えている。卵越冬で、成体は7月~10月まで見られる。
ザトウムシを見かけたら、背中に棘があるかどうかを見てほしい。なかなかカッコいい。

但馬地域で棘を持っているザトウムシは3種類確認されている。その場所が海岸部であればヒトハリザトウムシ、比較的大きく黒ければオオナガザトウムシ、そうでなければアカサビザトウムシということになる。

撮影場所:豊岡市妙楽寺、豊岡市日高町阿瀬渓谷


田んぼの学校20121118 里山で落ち葉集め


曇り 参加者20人
昨日は雨、今日は何とか時々日差しも入る。各地でいろんなイベントがあり、どうも参加者は少ないようだ。9時半を過ぎてから、3家族、9名がやってきた。スタッフ入れて、約20人。のんびり遊ぶにはちょうど良い人数。
焚き火をして、火遊び、焼き芋、カキ収穫、大鍋食べて。落ち葉集めはあまりせず。

食料局長推薦の鳴門金時をぬらした新聞紙で包み、さらにアルミホイルでくるんで、焚き火に放り込む。

ホクホクの焼き芋。

高枝鋏と炭焼きの道具でカキのみ収穫。

今年はあまり実っていないが、20人なら十分な収穫量。

焚き火で火遊びは子どもたちが夢中。焚き火はいいですね。

大鍋はカニと地元野菜。毎度のこと美味しかったです。100人鍋なのに20人ほどだから当然大量に余る。観光客の方にも沢山食べてもらいました。


田んぼの学校20121021 秋の田んぼ、アカトンボ


田んぼの学校20121021 秋の田んぼ、アカトンボ
晴れ 参加者約40人
秋晴れ、爽やかな天候に恵まれた。
これなら午前中から沢山アカトンボが飛ぶと期待したが、例年になく飛ばない。
11時ごろになればと思ったが、意に反し時々飛ぶぐらいだった。
途中でアベマキのドングリをみんなで拾いました。大きなドングリに大喜び。

今年はドングリなどの実りもよく、9月中旬以降クマの出没は穏やかです。

子どもたちは、アカトンボを含め、バッタ、カエル、チョウチョなどを捕獲観察。
最近はノシメトンボがいなくなりました。アカトンボではアキアカネとナツアカネしか捕獲できませんでした。捕獲は出来ませんでしたがキトンボはいました。前日の午後はアカトンボが大量に確認できましたが、種構成は変化している。冬季湛水やコウノトリ育む農法が影響しているのかもしれません。

鍋はアサリと地元野菜。

新潟大学の桑原先生や、名古屋の院生の方、但馬県民局環境課の方も参加されました。
解散後に鎌谷川でスッポンの稚亀を捕獲した子がいました。
午後になるとアカトンボの沢山飛び始めました。


ムラサキアブラシメジモドキ


ムラサキアブラシメジモドキ(フウセンタケ科 フウセンタケ属Cortinarius salor Fr. )
(紫油占地擬)
 紫色が美しいキノコである。水分があるときはヌメリが強く光沢が強いので、特に若くて紫色の強いものは宝石のように美しい。
 フウセンタケ属のキノコは味に癖なく美味菌である。ムラサキアブラシメジモドキはヌメリが強いので、おろし和えや、汁、鍋に入れたり、ナメコと同様に利用すると良い。
 

 カサは饅頭型から平らへ開いていく。カサと柄の間にはクモ糸状の膜でつながり、やがて不完全なツバとして柄に残る。これはフウセンタケの仲間の共通点である。このツバは、若いときは白色であるが、やがて自分の胞子が付着して茶色に変化する。それが柄の模様のように見える。
 「モドキ」という名がついているが、「ムラサキアブラシメジ」と和名のついたキノコは図鑑では見当たらない。
 秋に広葉樹林内の地上に発生する。里山のキノコである。


オオナガザトウムシ


オオナガザトウムシ 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目カワザトウムシ科フシザトウムシ亜科
(Melanopa grandis Roewer)
大長座頭虫

豊岡市日高町の山を歩いていて、地面に近い樹幹で大きなトウムシを発見した。でかい。真っ黒で、細長い。はじめてみるザトウムシだ。
オオナガザトウムシのオスであった。

しばらくすると、オスはいなくなって、ほぼ同じ場所にメスが現れた。メスの腹部は卵巣の卵が成熟していてかなり膨らんでいる。

オオナガザトウムシ。体長は約1cm、ザトウムシとしては大型であり歩脚が短めである。背中に棘を持っており、通常1本であるが、2~3本の個体もいる。この個体は2本ある。体が長く全身が黒い。ザトウムシに詳しい鳥取大学の鶴崎先生によると、オオナガザトウムシの雌雄は体形がかなり異なり、背中側から見たときに雄の方が肩がはって、長細い逆三角形に近い体形になり、これに対して雌は紡錘形であるということである。

日本、朝鮮半島、ロシア沿海州日本海沿いに分布しているが、体の大きさ、体形、オスの触肢の形態などに著しい地理的分化があるが、兵庫県内では本州型として安定している。

 ザトウムシという生き物は、われわれの生活にはまったくといっていいほど関係がない。ほとんど見向きもされない生き物のグループである。しかし山の中で注意すると、意外なほどに見つけることが出来る。なかなか繁栄している生き物ではないだろうか。


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