食べよう(食糧局ログ) 一覧

タカノツメ


山菜のシーズン真っ只中になりました。
豊岡市街地周辺の里山ではタカノツメがとりごろです。来週の土日では、もう遅くなってしまいます。標高の高いほうへ行かないと採れなくなってしまう。
 タカノツメはウコギ科の植物で、山菜の王様というとタラの芽がよく取り上げられますが、最近は知る人ぞ知るということでコシアブラが有名になってきています。で、このタカノツメというのは同じウコギ科の植物でコシアブラのごく近縁種なんです。
 味もほとんど同じで、タラの芽よりももう少し味が濃く、風味豊か、ややあくが強い。あくが強いといっても、野菜のしゅんぎくと比べれば、いい勝負ぐらいかなあ。僕は大好きです。コシアブラのほうが、ややボリュウムがあるが、私の家の近所ではタカノツメのほうがたくさんあります。生えている場所は日当たりのよい里山で、コシアブラとタカノツメが並んで生えていたりします。
 一度覚えると簡単に見つかりますが、採りごろはほんの一週間ほどなので、土日とのタイミングやお天気の関係で、あまりチャンスはないのです。私の家の近くでは、4月20日前後が旬ですが、年により1週間ぐらい前後します。

 さっと茹でて、おひたし、マヨネーズやドレッシングでシンプルに食べるとおいしい。風味が強いので、天ぷらもよいです。
 資源保護のために、とるのは一枝から一つにしましょう。
まあ、だれも採らないほうがいいですね。
 こちらはコシアブラ


シュモクザメ


シュモクザメ  05,09,11
 バッタ調査のお昼はシュモクザメを食うことになった。
 鳴海食料局長が日本海で捕れたシュモクザメを持ってこられたのだ。
 久美浜の定置網に掛かったものだそうだ。
 バッタ調査に行く前にみんなに見てもらうと、子供たちにすごい人気があった。その特徴である頭部というか目の付いているところが面白い。
 白身で、軟骨魚類だから柔らかい。味はというと、脂分の無いトロのような味、鍋に入れ火を通すよりも刺身のほうが断然美味。刺身はかなりいける。刺身の人気が高かったです。
 たまたま来ていた県の広報課の方も喜んでいました。

 子供たちに人気のシュモクザメ。

 シュモクザメの刺身。

 バッタ調査をしてシュモクザメを食う。


コシアブラ


コシアブラという山菜、タラノメよりもおいしいと本には書いておる。
ずっと食べてみたかったが、よく分からない。春先の採りごろというのは1週間もないし、なかなか図鑑や写真だけで採集して食べるというのはできない。その時期に運良くコシアブラを知っている人と山に行ってめぐり合うというのも至難の業である。
そんなわけで、コシアブラなる山菜がとてもおいしいらしいと知ってから6年が経過した。その間知り合いからは、コシアブラはおいしいよ、とか、山にたくさん生えているよ、とか聞くけれど、実際に食するまでには至らない。
今年4月17日、市民参加の森づくり事業で白雲山に登った。森林インストラクターのNさんに、ぜひコシアブラを教えてほしいと前もってお願いしておいた。当日はあいにくまだ時期が早く、タラノメは採りごろであったがコシアブラはまだ芽が固い状態。しかし森林林業課のSさんが、それを採ってきて僕に教えてくれた。どこにでもあるような芽である。とてもこれでコシアブラを見分けられるようになる自信はなかったので、匂いだけはしっかり覚えておこうと手で揉んでしっかり嗅いでおいた。その匂いも良くある木の芽の匂いのような気がする。

白雲山を降りた後で、今度は一人で愛宕山へ行った。そこで偶然にも先ほど教えてもらったのに良く似た芽に出くわした。台風23号のために木が倒れて山道をふさいでいるのだ。だから通常手の届かない大木の新芽が手に届く場所にある。匂いも良く似ている。

1週間後、コシアブラであることを確認しに行ったのであるが、今度はどんぴしゃの採りごろで、山菜図鑑の写真とそっくりである。さすがに間違いようがない。
こうして僕は、念願のコシアブラを手に入れたのである。
味は濃厚でこくがある。タラノメと同じウコギ科であるがタラノメよりも味が濃い。つまり野趣が強いというか、癖が強い。シュンギクに近いものがある。
タラノメよりもおいしいというのはうそではないと思う。てんぷらがいいと書いてあるが、茹でてマヨネーズやドレッシングであえて食するほうがうまい。
台風で倒れて採りやすい状態というのはめったに巡り会えないことである。4月下旬の1週間ほどの期間、毎年食することができるだろうか。