アカヤマドリ


アカヤマドリ
ハラタケ目 イグチ科 ヤマイグチ属
 巨大なキノコである。カサの経は20CMを超えるものがざらである。色は赤茶~褐黄色で鮮烈で毒々しい。表面が大きくひび割れ、きめ細かなスポンジ状の内部が露出している。少しメロンパンを思い出す。イグチの仲間だからカサの裏側にはヒダはなく、緻密な網目状になっている。
夏の終わりから秋の初めに、少し明るい広葉樹の里山によく発生する。見た目は強烈であるが、とても美味しいキノコである。心地よいキノコ臭、カサの部分はつるんとした歯ざわり、茎はしっかりとしている。癖のない味、一本でも十分な収穫量。見た目がすごいだけにその有用性を知ると忘れられないキノコとなる。
暑い時期のキノコなので、虫が入りやすい。このアカヤマドリも特に虫にやられやすい。しっかりとしているはずの茎の部分をつかむと、ぐにゃりと曲がってしまいびっくりすることがある。中を割ってみると沢山の虫たちが大騒ぎをしている。成長途中の幼菌であっても、すでに虫の食べた筋が沢山入っていることも多い。老熟するまで放っておくと、カサの部分がぼろぼろに砕けていたり、半分ぐらいが爆発したように散乱している。さらには、茎の形はかろうじて残っているが、カサの部分はどこかに消失してしまっている。すべて、ショウジョウバエやキノコバエ、キノコムシ、ナメクジ、その他よく分からない生き物たちの大宴会の結果なのである。
私たちがこのキノコに出会ったとしたら、大喜びする前にまだ食用に耐えられる状態かどうかを確認することが大切である。沢山発生している時は虫による被害は少ないが、たった一つだけ見つけたりした時は特に危ないように思う。見た目もすごいが中身もすごいことになっているかもしれない。
このような事情さえなければ、アカヤマドリは紛らわしい毒菌もなく安全で優秀なキノコである。
 
2006,10,22日掲載
NPO法人 コウノトリ市民研究所
主任研究員 稲葉一明


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