イラカザトウムシ


イラカザトウムシ(♂) 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目カワザトウムシ科スベザトウムシ亜科
(Gagrellopsis nodulifera Sato & Suzuki)
甍座頭虫

神鍋高原の森林内でアリの観察をしていたらザトウムシが近づいてきた。先日ザトウムシのことを少し勉強したところなので、早速撮影を試みた。ヤマスベザトウムシではないかと思ったが、鳥取大学の鶴崎先生に写真を見ていただくとイラカザトウムシのオスであることが判明した。この種は背中に瓦を積み重ねたような模様があるのだが、オスは色が淡いのでヤマスベザトウムシと間違いやすい。しかし、5月に成体が観察されていることや標高からイラカザトウムシに間違いない。

イラカザトウムシは、兵庫県内だけで染色体数が2n=14,16,20.22,24と多様であることがわかっている。ザトウムシ類は移動能力が低く、地域的分化の目立つ仲間である。このイラカザトウムシは、鶴崎先生の研究資料を見ると2n=20か22の可能性が高い。
体長4~5mm程度。オレンジ色の体で背に瓦を積み重ねたような模様が特徴。メスは甍模様が黒褐色ではっきりしているがオスは淡い。幼体越冬で成体は5~7月ごろに見られる。森林生活者。ザトウムシ、魅力的な歩き方である。