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大阪バードフェスティバル2007
 大阪バードフェスティバル2007に参加した。

 じつは、昨年の大阪自然史フェスティバルに参加しようと思っていたのだが、締め切りが来てしまって参加できなかった。

 大阪は遠いので誰か一人は前泊しないと準備ができない。幸い京都や神戸に住まれている会員の方に手伝っていただいてなんとか準備ができた。

 40強の団体が参加しているが、時間的にはうちが最も遠方からの参加になる。
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 展示の基本的な考え方は、

 綺麗なだけのコウノトリの写真、かっこいいだけのコウノトリ写真、そんなハレのコウノトリではなく、矛盾の中に暮らすコウノトリの写真を展示する。例えば、治水工事の中で進められている自然再生工事の現場に舞い降りたコウノトリ、・・・。

 コウノトリの野生復帰は、じつは人の野生復帰。中でも子どもの野生復帰は大きな意味を持つ。また、自然の健康診断も忘れてはいけない。そんなうちの日頃の活動を展示しようと思った。



 ということで「人の暮らしとコウノトリの暮らし」の接点が見える写真を中央に貼り、左右の壁に田んぼの学校を楽しむ子どもたちと生き物地図の「鳥」と「RDB」を貼った。

 商品をたくさん売ろうと思っていたが、お人好しの市民研は、「大阪に行ってきますので何でも配りますよ。」とコウノピア、郷公園、県民局の環境課に声をかけていた。それぞれから山のような配布物を預かっており、自分とこの商品を売るよりも預かりものを配布し終わろうと必死だった。





 やればできるもんで、環境課とコウノピアの冊子は全部配り終えた。

 いろいろな団体が作品を作るコーナーを作っていたが、市民研のクラフトコーナーは子どもに人気のブースだった。そして、郷公園からいただいたコウノトリの折り紙がまた評判だった。会場の至るところで折られており、一日に500枚では足りなかった。




 反省点として、次の2つがある。

 配布が忙しくて、よそのブースをほとんど見に行けなかった。それで、目的の一つだったお友達になる団体ができなかった。お客さんとゆっくりと話をする時間もなかった。それでも、コウノトリのことはなかなか知られていて、「卵を産んだけど孵りそうか?」だの「この間豊岡に行ったよ。」だのという人はそこそこおられましたね。親戚が田んぼの学校に参加しているという人もあって、そうなのかと思った。

 クラフトの体験者は、小学校の低学年以下が圧倒的で、そのお世話に忙殺された。こういうときは簡易版がいいと思う。



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田んぼの学校4月;タンポポ調査
 今年もタンポポ調査をしました。昨年と同じ祥雲寺〜法花寺をゆっくりと歩きました。 まだ田んぼの学校の案内を出していないので予想通りこぢんまりした密度の濃い観察会になりました。
 タンポポだけでなく春の花を見ながらの2時間になりました。

 タンポポの特徴を知ろう。

 *花を分解してみよう
・一つの大きな花と思っていたのが、じつは小さな花の集まりだった。
・たくさんの小さな花があった。
・この小さな花を小花(しょうか)という。
・この小さな花の花びらの先は5つに割れている。
・タンポポはキク科という植物の仲間に入るがキク科の花は小花でできている。





 *花茎や葉をちぎってみよう
  ・白い汁、乳液が出てくる。
  ・キク科はキクの仲間とタンポポの仲間に分けることができる。乳液が出たらタンポポの仲間。

 とまあこんなマニアックな話を含めながらゆっくりと歩いていきました。

 コウノトリ本舗の前で見つかった変なタンポポ。



 総苞外片がぴったりと総苞内片にくっついています。これは日本のタンポポ、但馬ならカンサイタンポポの特徴です。でもどう見てもカンサイタンポポではありえません。花の色が濃いです。小花の数が多いです。総苞外片が長いです。日本のタンポポの場合、外片は長くても内片の2分の1くらいです。それが同じ長さなのです。総苞外片の質も違います。西洋紙状でペラペラです。おそらくこれは雑種のタンポポです。顕微鏡で花粉を見れば、カンサイタンポポでないことはわかりますが、雑種かどうかはわかりません。タンポポでいつもお世話になっている人と自然の博物館の鈴木さんのお世話になるしかないようです。 

 雑種と思われるタンポポが圧倒的に多いようです。それがセイヨウタンポポ系かアカミタンポポ系かは果実の色で判断します。でも綿毛になっていないのでまだわかりません。

 途中1ヶ所でシロバナタンポポが出てきます。
 今年も変わらず咲いていました。



 酒垂神社でちょっと休憩です。
 ここには巨木がたくさんあります。

 農道を少し行くと、日本のタンポポが出てきました。花の色でわかります。外来タンポポが黄色なら在来タンポポはクリーム色です。このタンポポはヤマザトタンポポです。





 さらにいくとクシバタンポポが出てきました。
 これまでのタンポポは取り放題でした。子どもたちがちぎって絶滅したりはしません。でもこのクシバタンポポは採集禁止にしました。





 クシバタンポポは今のところを、豊岡盆地内では2ヶ所だけしか確認できていません。豊岡市全体でも10ヶ所もありません。じつは意外とたくさんの場所にあるのかもしれませんが、実態が不明なので安全のため採集を禁止しました。

 カンサイタンポポ、ヤマザトタンポポは、外来タンポポと花の色が違います。見間違えることのない違いがあります。ですから自動車に乗っていてもこの2種類のタンポポは発見できます。実際、そうして大まかな分布調査をしました。ところがクシバタンポポは花の色が外来タンポポと変わらないのです。カンサイタンポポやヤマザトタンポポのように見つけようとして見つけたのではなく、たまたま車から降りたところで見つけたというのがこれまで経過です。だからきっと思いがけずいろいろな場所に生育しているのではないかと想像しています。
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カンサイタンポポ:但馬の端っこに生育
カンサイタンポポ キク科





 カンサイタンポポは日本在来の小型のタンポポで、関西以西に普通に生育している。私は京都市で植物の勉強を始めたのだが、京都市にはカンサイタンポポが至る所にあった。だからカンサイタンポポが特別なタンポポであるという思いは全くなかった。
 ところが但馬に帰ってきてタンポポを調べ始めて驚いた。家の回りにカンサイタンポポは一株もない。ほとんど全てがセイヨウタンポポで、わずかにアカミタンポポが見られた。どちらも外来種である。範囲を広げて日高町、旧豊岡市を見て回ったがカンサイタンポポはない。
 やがて、帰化種とは思えないタンポポを見つけたが、そのタンポポは大きなタンポポで、どう考えてもカンサイタンポポではありえない。ひょっとすると但馬にはカンサイタンポポはないのではと思っているうちに竹野海岸でカンサイタンポポを見つけた。それから海岸沿いに調べていくと、点々と見つかった。田結、気比、瀬戸、田久日、宇日、竹野、切浜と海のすぐ近くに大量に生育していた。私の調査では竹野町がカンサイタンポポの西限である。また、海岸線から1kmも内陸に入るとカンサイタンポポは姿を消す。城崎町で数カ所見つけたのが唯一の例外だった。
 海岸沿い以外はどうなのだろうか? 本当にないのだろうか? 山東町から夜久野峠、但東町から小坂峠を越えて京都府に入ると、但東町から登尾トンネルを抜けて京都府に入ると、道ばたにあるのはほとんど全てカンサイタンポポである。山の向こう側にだけカンサイタンポポがあるのはおかしいと思い、但東町で調べてみた。登尾峠、小坂峠の入り口付近を中心にカンサイタンポポを見つけることができた。高橋小学校あたりが境目になっている。同じように山東町、和田山町、生野町で旧国境を調べてみた。それぞれ数カ所でカンサイタンポポを見つけることができた。
 カンサイタンポポは但馬の端っこにへばりつくようにして生育している。そして但馬の中央にはヤマザトタンポポという別の在来タンポポが生育している。そんなことがわかってきた。しかしそれがどんな意味を持つのかはまだわからない。40年ほど前に日高町にカンサイタンポポが生育していたのは上坂規知郎氏の採られた植物標本の存在から確実である。40年間に何が起きたのか興味は尽きない。

追記
 「タンポポ調査2005」では、浜坂町の海岸近くでカンサイタンポポが発見されている。私はその場所に行ってかなりしつこく調べてみた。ヤマザトタンポポはたくさん生育していた。しかしついにカンサイタンポポは見つからなかった。
 「タンポポ調査2005」は、調査の精度を高めるために調査者は頭花を事務局に送るという方式を取っており、送られてきたタンポポは、花粉を顕微鏡で観察されることになっている。カンサイタンポポは、2倍体なので花粉の大きさが揃っている。浜坂町のタンポポの花粉はどう見ても2倍体のものだったそうだ。また探しに行かないといけないだろう。
 タンポポ調査2005では、氷ノ山へ向かう道なのだろう標高1000mくらいの所からもカンサイタンポポが報告されている。本来、タンポポが生育するはずのない場所である。どんな経路かは不明だが、カンサイタンポポの種子が移動したのは間違いないだろう。
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モウソウチク;悩ましい竹林の拡大


 竹林が大変である。どんどん広がっていて手に負えない。

 竹といってもいろいろ種類がある。ここでいう竹は、主にモウソウチクである。モウソウチクは1700年代中頃に中国から持ち込まれた。以来大切に栽培され、タケノコが食用されるだけでなく、加工されて工芸品になったり、防災の役割を果たしたりもしてきた。

 ところが最近では全く管理されずにほったらかしにされている。管理の有無は、竹林に近づいてみれば一目瞭然である。大雑把にいうと傘をさして中を歩けなければ管理失格である。近くの竹藪で確かめてみてほしい。傘がさせず、細い竹が多かったり、竹が枯れていたり、折れていたら管理が放棄されてから久しい。

 1990年頃から異常なほどの竹林の拡大が報告されるようになった。人が利用しやすい丘陵の脚部や斜面の下部にだけあった竹林が中腹から尾根まで広がり、山全体が竹林で覆われているような場所さえ見られるようになってきている。

 ではどうすればいいのか。簡単なことである。伐ればいい。しかし、いうはたやすいが、竹林の管理は非常に大変である。

 モウソウチクは、地下茎で広がっていくが、その速さは1年に2mほどだといわれている。竹林から30mほど離れた場所でもタケノコが出ることがあり、その広がる力は強力である。個人の抵抗ではなかなか勝てない。

 かつて勤務していた小学校には広い学校林があり、そこに竹がたくさん生えていた。その竹に挑んだことがある。竹の数があまりに多いので伐るのはあきらめた。タケノコの時期にやっつけて増加だけは止めようと思った。まずはタケノコ掘り。300人以上の児童が全員持ち帰った。残りは堅くなる前に自然科学クラブの子どもたちと蹴飛ばした。そんなことを何年かしてみたが、現状維持も難しかった。再挑戦を考えている今日この頃である。



 ここは、雑木林の中にモウソウチクが侵入している。大木は、竹の上につきだしている。だから枯れることはまずない。しかし、竹よりも低い木は近い将来枯死する。



 植林の中にモウソウチクが入っている。背が高いものは残るが、低いものは枯れてしまう。下の写真の茶色の幹は、枯死した植林の木だと思われる。




 竹炭などいろいろな試みがされているが、決め手に欠けている。
 
 地上部の全てを伐っても、1年で枯死することはない。翌年には、細い竹が出てくる。モウソウチクとは全く別物のように見えるが、生き残っている地下茎から出てきたモウソウチクである。これを放置しておくと翌年くらいにはそれらしい太さのタケが出てくる。そうなると元に戻るのは近い。数年間刈り続けるとさすがのモウソウチクも枯れる。

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進む河川工事;治水だけじゃない
  

 円山川に沿って豊岡市街地へ向かうと否応なしに工事が目に入る。川底を深く掘ったり、川幅を広げたりして、洪水が少しでも早く海へ流れ出るようにする工事である。今回の工事が終われば、平成16年に大きな被害をもたらした台風23号級の台風が来ても床上浸水が起きないようになるはずである。1)ところで、この工事にはこれまでの工事とはちょっと違ったところがあるのだが、それにお気づきだろうか?

 ご存じのように、円山川は近畿有数の自然の豊かな川である。円山川は68kmと1級河川の中では最も短い部類だが、魚の生息種数、植物の生育種数などが近畿でトップクラスであり、自然度の高さは際だっている。

 この豊かな自然を失わないために、防災のための工事と並行して、豊かな自然を守りさらに豊かにする自然再生の工事2)が行われている。

 掘削という土を取り除く工事を行っているのにその土が残されている。なぜあんな山を作るのだろうか? あの土の山は、表面の土が集められてできている。表面から深さ20〜30cmくらいまでの土には、その場所に生えている植物たちの種子や地下茎などが大量に含まれている。この土をまき出せば、その土があった場所の植生が再生する。うまくすると土を集めた時には生えていなかった希少種の種子を目覚めさせることもできる。3)

円山川では、高水敷きを水位線まで掘り下げて、そこに表土をまき戻すという工事が10年ほど前から行われており、すでに希少種を出現させるという成果をあげている。4)今回は、様々なケースのまき戻しが行われ成果が期待されるが、激甚災害の工事は5年間で終わってしまう。生物の都合を無視して、駆け足のような工事が一方的に進んでいくという側面は否定できない。最大限の知恵を絞っているが、どんなことが起きるのか不安が大きい。5)




1) 台風23号級の条件で床下浸水は仕方がないということである。それ以上の規模の台風であれば当然床上浸水は生じる。
 思考実験としては、川を深くする、川幅を広くする、川の中に遊水池を作るなどの今回の対策以外にも、川の外に遊水池を作る、家に高い下駄を履かせる、水の来るところからは引っ越すなどの対策もあり得るが、今の法律の枠組みでは非常に難しい。

2)自然再生と呼ばれる工事である。自然再生とは、自然環境の保全・復元を行うことである。
 自然再生のもとになっている考え方にミティゲーションというものがある。ミティゲーションで取られる具体的な処置には、「回避」、「低減」、「代償」があり、最も望ましいのは「回避」である。しかし日本では、はじめから「代償」しか考えていない計画が余りにも多い。

3)最も避けないといけないことは、表土を剥いで目覚めさせた希少種の種子を消費してしまうことである。発芽することで土の中の種子の数は減る。この種子を供給しないといけない。そのためには発芽した植物を成長させて花を咲かせ、種子を散布させないといけない。途中で枯らしてしまうと無意味に希少種の種子を消費したことになる。

4)タコノアシ、ホソバイヌタデ、ミクリ、ミズアオイ、マツカサススキ、サデクサ、ヒメシロアサザ、ヤナギヌカボなど出現した希少種は多い。効果的な手法であることは確認できたが、数年たつとこれらの植物は姿を消す。流域全体でどのように管理していくのかという課題が出てきている。

5)激特は5年間。緊急治水対策は10年間と年限が決まっている。各地で一斉に本来なら30年とか40年かけて行われるはずだった工事が行われる。これは明らかに生物のリズムにはあっていない。同時に、同じ手法で、広い場所で、というのは均一な環境を作り出してしまう。生物は微妙な環境の違いを上手に利用しているので画一な環境でははじき出されるものが多く出る。

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